「キャッシュリッチ」か「タイムリッチ」か
また、「副業で楽しく稼げていれば、会社を辞める必要ないんじゃない?」という意見をいただくこともあります。そこでもうひとつ、次のお話をさせてください。
FIREというと、多くの人がまだ「お金を1億円貯める、そして投資の運用益で生きていく」という概念を持っていることから、「キャッシュリッチ」になることばかりにフォーカスされがちです。しかし、高収入の人や資産を持っている人は世の中にたくさんいると思いますが、日々忙しく、自由な時間がない方が大半です。これは、「キャッシュリッチが直接的に自由で自分らしい人生に結びつくわけではない」ということを表しています。
僕自身、外資系企業で夜中までずっと働く日々と、FIRE後に自由な時間がたくさんある日々の両方を過ごしたうえで感じるのは、FIREの本質は間違いなく「タイムリッチ」であるということです。決して「キャッシュリッチ」が主軸ではありません。
実際に、どれだけ年収が高くても、資産を持っていても、時間がない人生に幸せを感じることは一切ありませんでした。ですから、今は多くのFIREに関する記事やSNSなどで、お金を貯めることや運用をすることばかりが取り上げられていますが、「時間がある生活のほうがFIREの本質なんだ」と、気づいてもらいたいと思っています。
従来のREはFIREの現状とズレている
こうして今どきのFIREを実現した際、従来の定義のように会社を辞めることをRE(アーリー・リタイア)と表現するならば、たしかにリタイアはしています。しかし、退職後に精力的に人生を楽しんでいるFIREされた方々の様子は、リタイアの言葉に含まれる「定年退職後に何もしないでボーッとして暮らす」というニュアンスとはあまりにもかけ離れていたのです。
・これは決してリタイアではない
・みんな会社を辞めたあと、第2の人生を新しくスタートしている
心からこう感じた僕は、あらためてFIREのREをRetire EarlyのREではなく、Restart(リスタート)のREだと再定義したのです。この言葉が自分自身でも、ものすごくしっくりときています。
ただ、「それって、趣味での独立と何が違うんだ?」と思われる方もいるでしょう。この点ですが、会社以外の収入がある状態から退職をしていることも相まって、ある程度の資産に支えられた独立は、生きていくためにリスクをとってでも早く結果を出さないといけない通常の独立とは、まったく気持ちが違いました。全然焦りが生まれないのです。
成功したらラッキー。仮に成功しなくても、好きなことをして生きていけるのだから幸せ。会社を辞める前は、ここまでポジティブな気持ちになれるとは考えていませんでした。これが「何のストレスもなく、ゆるく自分の好きなときに好きなことをして楽しんで、それでいてその活動がお金を生み出すような、『遊ぶように生きる』自由な生き方をしよう」という考え方につながっています。
こんな第2の人生のリスタート、最高じゃないですか?
寺澤伸洋
作家/講演家
※本記事は『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
注目のセミナー情報
【国内不動産】4月26日(土)開催
【反響多数!第2回】確定申告後こそ見直し時!
リアルなシミュレーションが明かす、わずか5年で1,200万円のキャッシュを残す
「短期」減価償却不動産の節税戦略
【資産運用】5月10日(土)開催
金価格が上昇を続ける今がチャンス!
「地金型コイン」で始める至極のゴールド投資
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】