あれっ、おかしいな…年金月15万円見込の59歳サラリーマン〈ねんきん定期便〉に疑問→後日、年金事務所の職員に感謝したワケ【CFPが解説】

あれっ、おかしいな…年金月15万円見込の59歳サラリーマン〈ねんきん定期便〉に疑問→後日、年金事務所の職員に感謝したワケ【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

ねんきん定期便は、毎年1度、誕生月に日本年金機構から送られてくるはがき(または封書)です。このねんきん定期便について、「あまり関心がない」という人も多いのではないでしょうか。しかし、確認を怠ると「本来受け取れるはずだった年金が受け取れない」という悲劇も……。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の井内義典CFPが、具体的な事例を交えて解説します。

年金事務所で聞いてみよう…決心したAさん

Aさんは当初、「それぞれ短期間のアルバイトみたいなものだったし、厚生年金には入っていなかったのかな」「ずいぶん前のことだし、いまさら言っても仕方ないかもな」などと諦めムードでした。しかし、確かに働いたはずのX社とY社の記録がなかったことになっているのは、どうにも納得がいきません。

 

数日もやもやしていたAさんは「うーん……やっぱり気になるな。ダメもとで調べてもらったらスッキリするかもしれない。自分の年金のことももっと詳しく知りたいし、年金事務所に行ってちゃんと聞いてみよう」と決心。後日、ねんきん定期便を持って年金事務所へ向かいました。

 

“まさかの展開”にAさん歓喜…年金受給額が増額されることに

年金事務所では、自身の年金に関する説明を受けることができます。そして、年金の記録についても確認してもらえることになっています。

 

Aさんは、ねんきん定期便に記載のとおり65歳から年金を受給することができること、繰下げ受給によって年金受給額の増額が可能となることなど、年金制度の基本を教えてもらいました。

 

そして、かつて若い頃にX社とY社に勤務していたこと、それぞれの勤務地など、当時のことを伝えました。職員がすぐに確認したところ、ねんきん定期便に記載されていなかったX社とY社、両方の厚生年金の記録が判明したのです。

 

厚生年金の加入期間は、X社とY社あわせて約10ヵ月。X社とY社の記録はずっと持ち主不明の記録のままとなっていましたが、ここでAさんの記録と判明したため、Aさんの加入記録に、この10ヵ月の厚生年金記録が追加されることになりました。

 

Aさんは職員から「X社とY社の記録をAさんの記録として追加した結果、65歳からの年金受給額が増えます。増加額は年1万円程度ですが、65歳から生涯受給できるとなると、生涯で20万円以上になるかもしれません」との案内を受けました。

 

「危うく損していたところだ! 危なかった……調べてくれてありがとう、助かったよ」

 

そもそも、年額1万円の増加分は、元々Aさんの年金です。ただAさんは、X社とY社での厚生年金の加入記録が判明するとは思っていなかったため、年金が増えると知り得をした気分に。窓口の職員に感謝を伝えて、年金事務所をあとにしたのでした。

 

次ページ老後の備え…まずは「ねんきん定期便の確認」から

※個人情報保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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