出世欲がない、プライベートを優先しがち…「若手社員への愚痴」、本音は…
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、「大学の新規学卒者の平均給与」は2023年23.7万円。この数年の変化をみていくと「2020年」は22.4万円、「2021年」は22.5万円、「2022年」は22.8万円と、昨今の物価高を背景に大きく上昇しました。
そんな若手社員の給与水準に、「俺が新卒だったころは、月収18万円くらいが平均だったなあ」と感慨深く語るのは、40代くらいの中堅社員でしょうか。20年あまりの間に、新卒社員の給与は4万~5万円ほど上昇。2024年はさらに増えそうです。
電話にしても、給与水準にしても、さまざまなシーンでジェネレーションギャップを感じるサラリーマンの世界。さらに昨今の若手社員の意識についてみていきましょう。
BIGLOBEが行った『若年層の働き方に関する意識調査』によると、「出世欲」についての質問については「出世したい*」が「18歳~24歳」が54.9%、「25~29歳」が36.4%。それに対し、40代は28.0%。「いまどきの若者は出世欲がない」といわれるものの、実は中堅社員よりも上昇志向が強いことが分かります。むしろ中堅社員の出世欲の低さは、先を察していることの表れでしょうか。
*「あてはまる」「ややあてはまる」の合計
同じように「最近の若者は仕事よりもプライベートを優先しがち」という愚痴もよく耳にしますが……「仕事のやりがいよりも普段の生活を重視したい」に対して「あてはまる」と回答したのは、「18~24歳」で78.3%、「25~29歳」で78.8%。それに対して40代の中堅社員は76.0%。ほとんど差はありません。本音としては全世代「プライベート>仕事」なのでしょう。
こうしてみていくと、「意識」の部分では、電話にしても働き方にしても、それほど世代による差はないように思えます。それが若者への愚痴になるのは、実際に本音の部分が行動に現れるかどうかの差に過ぎないのかもしれません。
[参考資料]