(※写真はイメージです/PIXTA)

遺族年金は遺された家族の生活を支える大切な収入源。この制度に「見直し」が検討されていることに、不安の声が聞かれます。

「遺族年金が廃止になる」?

SNS上で「遺族年金が廃止になるらしい」と噂になっていることをご存知でしょうか。「遺族年金廃止」について政府や関係機関から公式な発表はされておらず、デマであると明らかにされています。ただし、遺族年金の内容の見直しや改定が検討されているのは事実であるとのこと。

 

“遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です(日本年金機構)。”

 

亡くなった被保険者や被保険者が家族を養っていた場合、その家族が経済的に困難に陥らないよう、遺族年金は支給されます。そのため、妻の年収が850万円を超える場合には、生計が維持できるとみなされて支給には至りません。

 

遺族年金を受け取って生活している高齢者のなかには、受給額の減少や見直しに対する不安を抱いている方がいます。年金支給額がさらに減少すれば、生活が困難になるのでは…と心配する声がちらほら。

80歳女性「もし減額されたらどうなることか…」

80歳の女性、夏子さん(仮名)は、会社員だった夫に先立たれ、遺族年金を受け取って暮らしています。自身の年金も合わせ、月14万円ほどで生活しているとのこと。

 

なお厚生労働省『平成29年 老齢年金受給者実態調査』によると、配偶者と死別した65歳以上の平均年金受給額は、遺族厚生年金がある場合には「13万7,000円」となっています。夏子さんの受給額は平均的といえるでしょう。

 

『家計調査 家計収支編(2023年)』によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は平均「14万5,430円」です。「平均程度」に暮らしていくには、貯金を切り崩す必要があります。

 

毎月の生活費の多くを遺族年金で賄っている夏子さん。突然の変更や減額があれば、生活に大きな影響が出るだろうと不安げな表情を浮かべます。

 

「夫を亡くしてからも一人で頑張ってきましたが、老齢になるにつれて体力も衰え、一人での生活に不安を感じている」とのこと。遺族年金が安定して支給され、少しでも安心して暮らせたらと願っています。

 

「この年金がなければ、生活が成り立ちません。今後施設に入居することも考えていますが、子供たちにはあまり頼りたくなく…。もし減額されたらどうなることか…」夏子さんは不安そうにつぶやきました。

 

遺族年金の見直しについて検討が進む中、不安な日々を送っている人がいるという事実。遺族年金の現在の受給者、そして将来の受給者が安心して暮らせるような措置が講じられるよう、切望されています。

 

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