(※写真はイメージです/PIXTA)

日本は本記事では<株式会社T&T FPコンサルティング>の髙島一夫氏・髙島宏修氏、<株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所>の西村善朗氏・森田貴子氏らによる共著『富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全』(総合法令出版)から一部抜粋し、日本経済が抱える「借金問題」が解決しない理由について解説します。

日本の“超高齢化社会”の実態~国の経済成長に影響する「3大要素」~

高齢化が経済成長にとってマイナスになる理由は、成長会計から説明することができます。成長会計とは、GDP成長率の内訳に注目して成長の要因を明らかにしようとするもので、次の3つの要素が経済成長に影響すると言われています。

 

  1. 労働投入
  2. 資本投入
  3. 生産性

1:労働投入

人口が減少する影響として、最初に思い浮かぶのが「労働力の低下」ではないでしょうか。高度成長期の日本は人口増加によって労働力人口(15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの)が増加する「人口ボーナス期」にありました。

 

人口ボーナス期では、多くの人々が働き収入を得ているわけですから、年金などの社会保障費の負担は少なくて済みます。政府は、国家予算をその分経済政策に重点的に充てることができるため、ますます経済成長が加速します。

 

一方、現在の日本は人口減少が続く「人口オーナス期」に突入しています。人口減少と高齢化が同時に進む日本では、「支えられる高齢者」の数が「支える現役世代」の数を上回るため、どうしても社会保障費は重たくなってしまいます。これは、現状の日本の財政状態を見れば明らかでしょう。

2:資本投入

人口が減少すれば、住宅へのニーズや、企業による資本設備への投資も比例して減ります。したがって、市場に投入される資本は減少し、やはり経済成長にはマイナスにはたらきます。貯蓄する若者は減り、高齢者は貯蓄を取り崩すため、日本社会で使える資金は減ることになるでしょう。

3:生産性

昨今は、デジタル化や働き方改革などが進められ、生産性の向上が図られていますが、実は生産性を高める一つの要素に「人口」があると言われています。なぜなら生産性向上には、既存のやり方を打破するイノベーションが必要であり、新しいアイディアをもつ若い世代が増加して、経験豊かな世代と融合することによってイノベーションが促進されることが期待できます。人口が少なくなれば、多様性が失われ、イノベーションにつながる種が少なくなってしまうかもしれません。これは、生産性の向上が停滞することにつながります。

2040年には現役世代1.5人が1人の高齢者を支えることに

このように、成長会計の3つの要素それぞれにおいて、鍵となっているのは「人口」なのです。経済成長のためには人口増加が望ましく、少子高齢化時代を迎えた日本が不利であることは否めません。

 

人口構成が変化するのはどの国も同じですが、日本は変化の速度が速いことも問題です。2022年には1人の高齢者を現役世代がほぼ2人で支える構造でしたが、2040年にはこれが1.5人で支えることになると予測されています。このような状況では、社会保障などの旧来のしくみが変化に対応しきれず、若者は将来の展望を描きにくくなり、持続的に経済活動を行っていくうえではマイナスになり得ます。
 

 

髙島一夫

株式会社T&T FPコンサルティング

代表取締役社長CFP

 

髙島宏修

株式会社T&T FPコンサルティング

取締役CFP

 

西村善朗

株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所

代表取締役税理士

 

森田貴子

株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所

パートナー税理士

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※ 本連載は、髙島一夫氏・髙島宏修氏・西村善朗氏・森田貴子氏らによる著書『富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したものです

富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全

富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全

髙島一夫・髙島宏修・西村善朗・森田貴子

総合法令出版

資産を確実に守り、運用するならスイスのプライベートバンク現在、日本の資産運用環境は極めて悪い状況にある。円安による資産価値の目減り、高所得層をターゲットにした増税措置、そして突如として襲い掛かる地震や水害などの…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録