音読が上手になれば、国語の時間が楽しみになる
前回の続きです。
小学校低学年の頃から、早くも国語の時間に先生から当てられるのを嫌がる子どもがいます。その理由の多くは、音読をうまくできないからです。その状態を放置しておくと、やがては国語嫌いにつながっていきます。
けれども、音読は練習すれば、練習した分だけ確実にうまくなります。家で少し練習すれば、効果はてきめん、必ず上達します。音読が滑らかにできるようになると、国語の時間が楽しみになります。
その先に広がっているのは、文章を読む楽しさであり、読書の楽しさです。もちろん、読書が、頭を使う訓練となることはいうまでもありません。文章に書かれている内容、その意味を「考え」ながら読むのですから。
早めに音読習慣をつけることで「考える力」を強化
音読ができるようになれば、ぜひ、次に取り組んでいただきたい国語上達法があります。
一回目の音読が終わったら「上手に読めたね」とほめて、「もう一回読んでみましょうか。二回目は、きっと、もっと上手に読めるよ」と誘う。最低、二回は繰り返して読ませるのです。
繰り返すことにより文章の中身が脳に定着します。仮にわからなかった言葉があったとしても、その意味を覚えることができます。
読み終わったら、次は書かれていた語句や言葉の意味について、子どもと話し合ってください。例えば「文化の日」について書かれた文章であれば、「文化ってどういう意味だろう?」と問いかけるのです。
質問に対する答えは、すべて受け入れてあげる。「なるほど、確かにそうだね」と相槌を打ってあげる。その上で、時々「なぜ、そう思うの?」と、思考を引き起こすマジックワードを投げかける。
こうした練習を繰り返すことで、子どもの国語力は確実に向上します。国語で考える力を伸ばすためには、文章に書かれている内容を、まず頭の中にしっかり収めることが必要です。きちんとインプットすることで、考えるメカニズムが動き始めるのです。
音読はインプット作業の第一歩として必要不可欠なトレーニングです。その音読習慣はできる限り早い時期、遅くとも小学校3年生ぐらいまでにつけてあげると、考える力が大きく伸びます。
国語ができる子どもは、読書の習慣を幼い頃から身につけています。読み聞かせにも効果はありますが、できれば早い時期から、本の読み方を教えてあげてください。文字を読むこと自体が、すなわち考えることです。
読書が好きな子どもは、塾でも国語の授業の時間に問題のプリントを渡した瞬間から、今日はどんな文章かな、とワクワクしながら読んでいます。楽しみながら読むことで、頭は活性化します。そんな読み方を続けていれば、自然と文章に書かれている内容を理解し、物語の場合なら感動を覚えるようになるでしょう。
こうして書かれている言葉以上の何かが、心に響くようになれば、その子どもは必ず国語を好きになります。文章を読むことを通じて、頭を鍛えることができるのです。そのための分岐点が、私の経験上からいえば、おそらく小学校3年生ぐらいです。
ですから国語の音読には、できる限り早い時期から取り組ませることをお薦めします。