金に投資する場合、「金地金」の購入や「純金積立」など様々な選択肢があります。しかしながら、投資先を安易に選ぶと手数料の負担が大きくなってしまうことも。そこで本記事では、ファイナンシャル・プランナーの横川由理氏の著書『知らなきゃ損! インフレってなに?』(自由国民社)から、金投資を始める際に注意すべきポイントについて解説します。

登場人物

かあさん(横川由理)
FPとして活躍する本書の著者。「正義の味方になる」「迷ったらやる」「専門用語を使わない」をモットーに、資産運用に悩む人たちにわかりやすくアドバイスを行う。桃太郎の育ての母。


猫の桃太郎(ももちゃん)
生まれたばかりで迷子になり、横川さんの息子の由比(ゆい)君に保護された♂猫。横川家に迎えられ、かあさんが哺乳瓶でミルクをあげてすくすくと育った。人間と話ができる不思議な能力を持つ。

 

どうやって金を買うのが賢い?

かあさん:金に投資をする場合には、金地金を買ったり、純金積立、投資信託、ETFなどさまざまな方法があるわ。

 

桃太郎:きんちきん?

 

かあさん:「きんぢがね」、って読むのよ。金の延べ棒とか純金コインのことを指すの。一番簡単なのは、純金積立ね。それから金融商品として、投資信託とETF(上場投資信託)で買えるわ。純金積立は、貴金属商や証券会社で口座を開いてね。

 

桃太郎:かあさんはどこでやってるの?

 

かあさん:田中貴金属さん。もう20年以上お世話になってるわ。

 

桃太郎:そんな前から! すごく儲かってそうだねー!!

 

かあさん:ううん。最初は3,000円からスタートしたし、等価交換でアクセサリーと交換したこともある。値段が上がったときには、一部売ってしまったわ。あのとき売らなければ、今頃もっと上がっていたのに~(涙)。

 

桃太郎:かあさん、「頭と尻尾は猫にやれ!」って知ってる? もっとも僕は、真ん中しか食べない。今日はお刺身にしてね!

 

かあさん:あら、ももに諭されちゃった。「頭と尻尾」は、一番高いときに売ることも、一番安いときに買うこともできないという、投資の格言よね。頭ではわかっているけど、心がわかってくれないの。でも、お金は必要なときにおろして、使わないとね。何のために貯蓄をしているのかというと、使うためだからね(と、自分を慰める)。

 

では、ここで貴金属商と証券会社の違いを説明するわね。田中貴金属や三菱マテリアルなどの貴金属商は、会員登録と引き落とし口座を登録する。毎月、あるいはボーナス月などに積み立ててね。一方、SBI証券や楽天証券でも純金積立ができる。ただし、証券会社の場合は、銀行の口座からの引き落としができないから、証券会社の口座に入金する必要があるわ。

 

桃太郎:貴金属商と証券会社、どっちがいいの?

 

かあさん:手数料の違いかな。証券会社は買付時に、代金の1.65%を払う。田中貴金属は、2万9,000円までなら代金の2.5%と、証券会社よりも割高よ。

 

桃太郎:どうして、かあさんは手数料の高いところで積立をしているの?

 

かあさん:私が純金積立を始めたころはネット証券はなかったし、そもそも証券会社が純金積立を始めたのもつい最近のこと。今さら別の会社に金を持って移動はできないのよ。もちろん、田中貴金属さんの場合、積立を休止できるけど、1年に管理料として1,320円を払う必要があるの。

 

桃太郎:世の中お金だね〜。

 

かあさん:ほんと。毎月1万円の積立なら、12万円。12万円の2.5%は、3,000円と高いわね。けれど、管理料の1,320円と証券会社の手数料1,980円(12万円×1.65%)を足すと、3,000円を超えるわ。だからかあさんは、割高でもこのままでいいの。仮に少しくらい割安でも、口座が2つになると、管理するのが面倒だからこのままだと思う。

 

[図表1]毎月1,000円程度から始められる純金積立
[図表1]「純金積立」は貴金属商と証券会社で始められる

 

桃太郎:じゃあ、これから口座を開く人は証券会社でいいんだね?

 

かあさん:そうね。もし、金地金として引き出したい場合は、貴金属商のほうが細かく引き出せるけど、そのために高い手数料を払うのはね~。あと、楽天証券の場合は、楽天カードからの引き落としにすると0.5%のポイントがつくわ。

 

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