(※写真はイメージです/PIXTA)

公開(パブリック)市場で取引される株式や債券と対をなす形で存在する未公開(プライベート)資産。かつてはニッチな存在でしたが、いまやポートフォリオに欠かせない重要な資産だと、アライアンス・バーンスタイン株式会社のプライベート・オルタナティブ部ディレクター清森英晃氏はいいます。プライベート資産とはいったいなんなのか、またプライベート資産は投資家にどのようなメリットをもたらすのか、詳しくみていきましょう。

注目しておきたい「プライベート・クレジット」とは

今後、投資家が焦点を当てるべきプライベート・クレジットには、どのようなものがあるかいくつか注目分野を見てみたいと思います。

 

ダイレクト・レンディング

これは、中堅・中小企業を主な対象にした直接融資で、金融危機以降、急速に普及しました。

 

米国のプライベート・クレジット市場でも最大のシェアを占めていて、大企業向け融資より高い利回りを期待できる点が魅力です。

 

しっかりした収益と幅広い顧客を持つ企業にフォーカスすれば、市場環境に関わらず優れたリスク調整後リターンが得られる期待があります。

 

スペシャリティ・ファイナンス

2つ目はスペシャリティ・ファイナンスと呼ばれる担保資産付きのローンです。

 

住宅ローンや自動車ローンといったキャッシュフローを生み出す資産や債権への融資は、投資家のポートフォリオを多様化させると同時に高いリターンを生み出す可能性があるため、プライベート資産の中で今後大きな割合を占めていくかもしれません。

 

実物資産を裏付けとした債権

3つ目は、商業用不動産やインフラといった実物資産を裏付けとした債権です。

 

商業用不動産市場は、金利の高止まりと先行きの不透明感により活況を欠きました。しかし、金利のピークアウトに伴い不動産の買い手と売り手の間で価格の折り合いがつき、不動産の取引量が増加すると予想されます。

 

銀行が継続融資に慎重な姿勢を取るなかで、資本余力のある融資元にとっては好機となりえるでしょう。

 

インフラについても再生可能エネルギー関連のプロジェクト融資で、金利上昇に伴う評価額の見直しにより、有望な投資機会が見え始めています。

 

「投資家に有利な」プライベート・クレジットの出現が期待できる

たとえ、経済成長のペースが鈍化したとしても、プライベート・クレジットの利回りはコロナ禍以前の水準を上回ると見られています。

 

また、金利上昇に伴う再評価が魅力的なバリエーションを生み出し、幅広い資産で投資家にとって有利な取引条件が出現するでしょう。

 

このため、機動的に投資資金を振り向けられる投資家にとって、2024年はプライベート・クレジットへの投資妙味の面で良い時期になると見ています。

 

 

清森 英晃

アライアンス・バーンスタイン株式会社

プライベート・オルタナティブ部ディレクター

 

※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください。

 

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【ご注意】
※本稿は、ABのリサーチブログ「知の広場」の「プライベート・クレジット市場の見通し:今後の進化と投資チャンス」を参考に、再編集したものです。詳細については当該ブログをご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2024年1月4日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が再編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

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