あなたにオススメのセミナー
「売却はオークションが最適解」と再認識したワケ
ニュージーランドの家の売却方法は、大きく分けて「オークション(競売)」「ネゴシエーション(交渉)」「価格提示」の3通りです。
マーケットが活発だったときは、オークション売りが80~90%を占めていました。しかしここ数年はコロナの影響もあり、銀行住宅ローン金利の高騰によって、無条件で買う人が少なくなり、めっきりオークション売りが落ち込みました。
嘘か本当か、なかには「収入が激減したから、車もグレードダウンせざるをえなくなった…」と嘆くオークショナーもいます。
今年に入ってからは銀行住宅ローン金利も下がりはじめ、マーケット状況も回復傾向にあり、よい兆しは見えてきてはいるものの、2月末まではまだホリデーモード。3月に入って通常モードに戻るこれからが本番です。
そんななか、2月後半、1件のオークションに出席してきました。
物件は、商業用物件と居住が重なり、ホームインカムタイプともいえるもので、投資家、大家族向けです。ロケーションもよく、担当セールスマンのコメントによると「100万ドル前半の価格帯」とのこと。
即座に「これは安い、お手頃だ!」と思いました。複数の顧客を案内し、バイヤーズエージェントとしての仕事を試みましたが、残念ながら、顧客からは「ロケーションを変える」「ローン融資が下りなかった」…などといわれ、実際にオークション参加とはなりませんでした。
この物件はいくらで売れるのか、当日売れるのか…。結果を知りたい筆者は、担当セールスマンの応援も兼ね、平日夜のオークションにもかかわらず出席し、様子を見守りました。
結果、2組で争いましたが、価格は伸びません。オークショナーもあっさり止めて、別室で買い手との交渉に入りました。説得していた時間は5分程度でしょうか。次に、家主がいる部屋に行って交渉へ。それを何度となく繰り返していました。
「結果まで、まだまだ時間がかかりそう。みんな、先に帰ってくれていいからね…!」
担当セールスマンは苦笑いです。
両者の様子を見ていた筆者は「今日は売れないかも、明日から営業再開かも…」と思い、その場を離れて和食店に行き、夕飯を食べてから帰宅しました。
ところがその後「Congeliturbations!」というメッセージが届いたではありませんか。「あれから30分後、117万5,000NZドルで両者納得しました。いま、みんなでお祝いをしています!」とのことでした。
オークションはライブ競売、ベストプライスのチャンスも多く…
2万ドルの価格譲歩が得られず、その場を去ろうとする買い手。それをすかさず追いかける担当マネージャー。担当セールスマンは引き続き家主を説得し続け、オークショナーは両者間を行ったり来たり…。
私たちが帰るときには、こんな図式が展開されていました。
もし、オークション売りではなかったら、当日の売却成立はできていなかったことでしょう。契約書が何度もやりとりされ、ようやく条件付き契約書が成立…という動きになったはずです。
オークション売りだからこそ、無条件契約でその日にSOLDとなり、売り手も買い手もスムーズに先へと進むことができました。とくに売り手は、確実な資金獲得ができたのです。
オークション売りをするなら、先行投資額も出さないといけません。私たちセールスマンも「売れなかったらどうしよう、買い手候補も現れず、閑古鳥だったらどうしよう…」という不安があります。正直、筆者も、オークション売りにはそこまで積極的ではなかったのですが、先ほどのような実例を目の当たりにすると、やはり「オークション売りがベスト」だと実感しました。
仮に、当日売れなくても、ある程度の価格帯で吟味でき、期日を指定できるチャンスもあります。「価格提示による」「交渉次第」となれば、いつだれがオファーしてくるか見当がつきませんし、仮に来たとしても、その人がベストかどうかわかりません。
もちろん、条件が多かったり、価格が低かったりすれば断ることも可能ですが、断ったはいいものの、その後だれからも連絡が来ない…ということもありえます。それらを予測して吟味・判断することは、とても重要であり、むずかしいのです。
その点、オークションはライブ競売です。家主にとって、1人でも多く買い手が出現すれば、それだけ売れる可能性が高くなり、ベストプライスを出すチャンスも多くなります。筆者も上記の例から、次の担当売り物件は、ぜひともお客様にオークション売りをお勧めしようと思いました。
購入は早めの決断を、売却は8~9月まで待って
オークランド地区の不動産の平均価格は、このところずっと100万NZドル越えでしたが、1月、2月と100万NZドルを切ってしまい、2月は、97万5,000NZドルとなりました。
そのことから、マイホームを購入したい方は、まだチャンスがあるといえます。「もう少し待てばもっと安くなるのでは?」との声もいただいていますが、そろそろ金利が下がり、投資家が動く時期だと考えられます。そのため、気に入った物件が見つかった方には、積極的なオファーをかけていただくほか、それこそオークションへ参加していただきたいと思います。
予算より少々高くても、支払い能力があるなら購入を検討してはいかがでしょうか。マーケットを見る限り、現在の数千~1万NZドル程度の損害であれば、すぐに取り戻せる、損のない不動産取得ができると思われます。
一方、売り手の方は微妙な月です。がまんできる場合は、8月~9月まではマーケットに出すのを控え、次の値上がりピークを待つのも手です。ただし、買い替えの場合は、買う方の予算も考えなければいけませんので、やはり、思い立ったときに家を売り、そして買うということが必要になるでしょう。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Harcourts -Shelter Realty Ltd 所属
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】