Aさんが税務調査官から告げられた「衝撃のひと言」
後日Aさんに税務署から連絡が。
税務調査官「お父さまが購入された絵画や骨とう品について、専門家による鑑定評価をおこなったところ、多額の評価額になることがわかりました。残念ですが、これらの財産は相続税の申告漏れとして申告が必要となります」
Aさん「えっ!そんな……これは親父の形見ですよ!?」
Aさんの実家にあった絵画や骨とう品の価値を鑑定したころ、なんと約3,000万円とのこと。これによりAさんは、約500万円の追徴税額を支払うこととなってしまったのでした。
相続財産の落とし穴…「形見」にも課税
ピカソやゴッホなど、有名画家の作品に高値が付くことは知っていたAさんですが、そんなものはごく一部であり、父が収集していた絵画や骨とう品にそこまでの価値があるとは思っていなかったそうです。そのため、これらの形見が課税対象になるとは思わず、相続税の申告に含めていませんでした。
被相続人が絵画などの美術品や骨とう品を所有していた場合、その正確な価値は普通の人にはわからないでしょう。
「評価方法もよくわからず面倒くさいし、そのままにしておこう」と軽く考えると、今回のように税務調査で指摘され、多額の追徴税額を課されることになるかも知れません。
相続税の課税対象についてですが、相続税の課税対象は「金銭的価値があるすべてのもの」とされています。つまり自宅にある家財なども、すべて相続税の課税対象財産となるのです。
自動車や宝石類、骨とう品など、家財道具ひとつあたり5万円を超えている場合は、個別に財産評価をおこない、相続税財産として加える必要があります。
とはいえ、一般的な家庭は家財でそこまで高価なものがないため、まとめて家庭用財産一式10~30万円程度として申告するケ-スが多いです。
いわゆる“美術品”はどのように評価すればいいのか
美術品の評価方法としては、
①美術品の購入価格を調べる
②売買実例価額で評価する
③専門家に鑑定を依頼する
などの方法が考えられます。ただ、一般的には③の専門家に鑑定を依頼するというのがもっとも客観的な方法でしょう。
しかし、美術品の算定は専門家によっても評価が分かれるなど難しい問題もあります。鑑定費用が発生することになりますが、多額の財産価値がありそうな絵画等の場合は、複数の専門家に依頼してみるのがよさそうです。
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