毎年起こる“悲しい事故”…おぼれた人を「助けに行った人」が亡くなる理由【元レスキュー隊員が解説】

毎年起こる“悲しい事故”…おぼれた人を「助けに行った人」が亡くなる理由【元レスキュー隊員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営するタイチョー氏。本連載では、同氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(2022年刊行、KADOKAWA)より一部を抜粋し、自分や大切な人の命を守る知識やテクニックを紹介します。今回解説するのは「水難事故の対処法」。もしおぼれている人を発見したら、どうすればよいのでしょうか。

<前回記事>

爆発的に燃え上がる…「天ぷら油火災」や「電子レンジ火災」で〈絶対にやってはいけない〉NG行動【元レスキュー隊員が解説】

おぼれている人を「泳いで助けに行く」のは危険行為

おぼれている人を助けるために水に入ると危険です。なぜなら、おぼれている人はパニックになりながらも息をしようと必死で、近くに人がいると自分が息をするために、助けにきた人を沈めようとする動きが出てしまうからです。

 

決して泳いで助けにいかず、近くにある物(浮き輪やロープ、ペットボトルなど)をおぼれている人の近くに投げ込みましょう。119番後、レスキュー隊がすぐ助けられるようおぼれた場所を正確に伝えましょう。

 

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【NG行動】一人で助けようとする

⇒おぼれている人を見かけたら、すぐに周りに伝えて助けましょう。たくさんの人と連携し、ライフセーバーや監視員がいる場合には救助を求めます。119番・118番の手配も手分けして行いましょう。

 

【NG行動】助ける側がパニックになる

⇒一刻を争う事態とはいえ、なにも考えず慌てて水に飛び込むと危険です。まずは落ち着いて周囲を見回し、浮き輪代わりになる物を探します。クーラーボックスなどは、おぼれている人に当てないよう、近くに投げ入れましょう。

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イラスト:みぞぐちともや 出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)
【図表】「おぼれている人」がいるときは、浮き輪代わりになる「物」を投げよう  イラスト:みぞぐちともや
出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)

水辺では子どもから目を離さないで!「沈む」のはあっという間

消防レスキュー隊員が実際に「おぼれる」という訓練を行った際に感じたことは、息を吸うこと以外何も考えられないということでした。「助けて!」と叫ぶ余裕なんて一切ありません。

 

つまり、おぼれると水中でバタバタしているだけで、「おぼれていることにだれにも気づいてもらえない」可能性があります。小さな子どもであれば、バタバタすることさえできず、気づいた時には水中に沈み、外から見えなくなる危険があります。

 

おぼれている人が沈むまでの時間は20~60秒ともいわれています。川や海で遊ぶ際は、決して子どもから目を離さないようにしてください。
 

 

 

タイチョー

株式会社VITA 代表取締役

元大阪市消防局職員/防災アドバイザー

 

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営。災害現場のリアルな声とともに、災害大国ニッポンならではの「気づき」を日々発信している。YouTube登録者29.5万人(2024年2月時点)。

 

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※本連載は、タイチョー氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

タイチョー(著)
みぞぐちともや(イラスト)

KADOKAWA

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