【防災】実は超簡単!消火器は〈ピン・ポン・パン〉で誰でも使えます【元レスキュー隊員が解説】

【防災】実は超簡単!消火器は〈ピン・ポン・パン〉で誰でも使えます【元レスキュー隊員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営するタイチョー氏。本連載では、同氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(2022年刊行、KADOKAWA)より一部を抜粋し、自分や大切な人の命を守る知識やテクニックを紹介します。前回に引き続き、今回も「火災の対処」を見ていきましょう。

<前回記事>
【防災】知らないと恐ろしい…火災発生時「立って逃げてはいけない」本当の理由【元レスキュー隊員が解説】

「消火器」はだれでも簡単に使える!

消火器があるにもかかわらず、使い方がわからず火災が広がってしまうケースがあります。とても簡単なので、次の3つの擬音で使い方を覚えておきましょう。

 

「ピン」(黄色の安全ピン)を上に引っ張り抜きます。

 

「ポン」とホース先端を上に引き上げ、消火器本体から外します。このとき間違えてレバーを押さえないように注意します。

 

「パン」とレバーを強く握って、燃えている物に薬剤を吹きかけます。

 

イラスト:みぞぐちともや 出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)
【図表】消火器の使い方 イラスト:みぞぐちともや
出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)

燃えている物を狙い、ホウキで掃くように消火

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<消火器を使うポイント>

1. 薬剤が自分にかからないよう炎の風上に立ち、燃えている物から4~7mほど距離をとる

 

2. 炎を狙うのではなく、燃えている物を狙う

 

3. ホウキで掃くようにして、ホースを左右に動かしながら消火する

 

4. 火が消えても中止せず、消火器の薬剤がなくなるまで続ける

 

5. 消火器は約10~15秒で使い切れる(消火可能時間は短い)ことを覚えておく

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【NG行動①】逃げ口を確保せず使う

部屋や家の中で消火活動をする場合は、必ず出口や扉を背にして消火器を使います。消火器には薄いピンク色の薬剤が入っており、放出すると視界がとても悪くなるためです。外で使うときは風上から消火をしましょう。

 

【NG行動①】天井まで燃えているのに使う

消火器で初期消火*ができるのは、炎が天井まで燃え広がっていないときです(天井に燃え移りそうな場合も消火できない)。初期消火ができなかったときは、火災現場から離れて消防隊の到着を待ちましょう

 

(*初期消火…火災発生直後から天井に火がまわるまでの間に火を消すこと。前回記事で解説)。

底がさびている消火器は使わない

古い消火器は子どもが遊びで使用して爆発するケースがあります。消火器の設置だけでなく、点検もしっかり行い、変形や劣化している場合は交換することが大切です。

 

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【ワンポイント】助かる命を助けるために…

「火を扱う場所の近くに消火器を置いているか」「劣化していないか」を確認する

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タイチョー

株式会社VITA 代表取締役

元大阪市消防局職員/防災アドバイザー

 

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営。災害現場のリアルな声とともに、災害大国ニッポンならではの「気づき」を日々発信している。YouTube登録者29.5万人(2024年2月時点)。

 

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※本連載は、タイチョー氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

タイチョー(著)
みぞぐちともや(イラスト)

KADOKAWA

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