「新築信仰」強い日本の住宅ローン返済事情はいかに
憧れだったマイホーム。人生最大の買い物には、相応のコストが求められます。戸建にするか、マンションにするか。住み心地もさることながら、費用感も気になるところです。
国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』には、建物別の住宅ローン負担額が掲載されています。同調査によると、住宅ローンがある世帯の年間返済額は、分譲集合住宅の取得世帯が「148.1万円」。月々12万円程度の負担です。世帯年収に占める返済負担率は17.4%。
分譲戸建住宅の取得世帯は「126.6万円」、世帯年収に占める返済負担率は18.8%にも及んでいます。
住宅ローン年間返済額、全建物の平均は「174万円」。三大都市圏別に見るとその額はさらに上昇し、平均で「183.1万円」となっています。日々の家計を圧迫することは間違いないでしょう。
「非常に負担感がある」65.2%の悲愴
同調査では負担感についても調査をしています。住宅ローンについて、「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計の割合をみると、全国で65.2%、三大都市圏で63.2%となりました。分譲戸建を選んだ6割以上の家庭が、厳しい資金繰りを余儀なくされているのがわかります。
最新の『家計調査(二人以上の世帯)』(2023年11月分)によると、2人以上の勤労者世帯の実質収入は、1世帯あたり49万4,181円です。10万円超の住宅ローン返済、そして車のローン、我が子の教育費、食費……と出費を考えれば、頭が痛くなってくるのも無理はありません。
全面的なリモートワークを認める企業もみられる昨今。都心から抜け出し、中古住宅をリフォームして穏やかに過ごす……という選択肢が報道されることもあります。苦しい生活を覚悟の上で新築住宅を選ぶか、中古住宅で日々の負担感を減らすか。判断がわかれるところです。