「確率加重関数」…確率が低いのに過度に期待してしまう
確率加重関数は、客観的確率が低いときは過大評価をし、客観的確率が高いときは過小評価する傾向を表す関数のことを言います。確率加重関数のグラフを[図表2]に示します。
確率加重関数に従った行動例として、年末、宝くじ売り場に人が殺到する(※)ということが挙げられます。
(※)年末ジャンボ宝くじの売上は毎年1,000億円にものぼります。
年末ジャンボ宝くじで1等に当選する確率(2000万分の1)は、落雷が原因で死亡する確率(70万分の1)や麻雀で天和をあがる確率(33万分の1)に比べても極めて低いにもかかわらず、人々はもしかすると1等・前後賞合わせて10億円が当たるかもしれないと過度な期待をし、売り場に長蛇の列ができるのです。
また、確率加重関数において、利益が出るときと損失が出るときの人々の感じ方は以下のように異なる傾向にあります。
- 利益が出るとき:低い確率に対してより過大な評価をし、高い確率を過小評価する
- 損失が出るとき:低い確率に対する過大評価傾向は小さく、また、高い確率への過小評価傾向も小さい
不合理性の逆を行き「利食いは遅く」×「損切りは早く」
ここまで話をしてきたプロスペクト理論の主要な結論の一つとして、人々は利益が出ているときはリスク回避的(ローリスクローリターンを好む)となり、損失が出ているときはリスク愛好的(ハイリスクハイリターンを好む)となるというものがあります。
利益が出ているときは、早く利益確定して換金したいという気持ちが強く働き、損失が出ているときは、損失を確定するよりも、たとえリスクを冒してでも、参照点である買値まで株を持ち続けたがる傾向にあるというのです。
「利食いは遅く、損切りは早く」は、そのような人々の傾向と逆の行動を取るよう注意喚起をしている投資格言の一つと言えます。
自分の買値より上がったからさっさと売ってしまった、買値より下がっているけど意地でも保有を継続するなど、自分の買値を基準として感情に流された売買をしていては、利益の最大化を図ることは難しくなってしまいます。
安定した利益を出していくためにも、できる限り客観的な視点から利食い・損切りを行っていくことをお勧めします。
なのなの
サラリーマン兼業投資家
※本記事は『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】