(※写真はイメージです/PIXTA)

年金や補助金、給付金について、常に最新情報を追いかけることは簡単ではありません。また、いざ調べてみても「制度が複雑でよくわからない」という人も多いでしょう。そこで今回、株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の井内義典CFPが、申請さえすれば対象者がすぐに受け取れる「年金生活者支援給付金」について、事例を交えながら解説します。

老齢年金生活者支援給付金を受け取る「2つの条件」

老齢年金生活者支援給付金の所得要件は、下記のとおりです。

 

①住民税非課税世帯であること

②本人の「前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計」が78万1,200円以下であること
※ 2023年度の額

 

①②両方の要件を満たしていれば支給され、当年10月~翌年9月分までのサイクルで支給対象となります。

 

なお、補足的老齢年金生活者支援給付金は、上記①と同様に住民税非課税世帯であることのほか、②の額が78万1,200円超88万1,200円以下である必要があります。

 

Aさんは、働いて収入があるころは所得要件を満たさなかったため、給付金の支給はありませんでした。しかし、働いていたころの給与収入がなくなり、年金収入(年間72万円)のみとなったことで、所得要件を満たし、老齢年金生活者支援給付金の支給対象となりました。

 

請求すれば、受け取ることができる…安堵の表情のAさん

老齢年金生活者支援給付金の額は、月額で5,140円を基準に計算されます。給付額は国民年金の保険料納付実績によって決まり、老齢基礎年金が満額(保険料納付済期間40年で支給)である場合は5,140円で、満額でない場合はこれと異なる金額となります。Aさんの場合、老齢基礎年金は満額でなく、給付金は月額約4,000円でした。

 

決して十分な額とはいえませんが、「最近物価も上がっているし、給付金があるのとないのとでは差があるな。それに、申請するだけで年5万円近くをもらえるなんて……正直ありがたい」と、Aさんはひとり喜びました。

 

年金生活者支援給付金は年金と同様に、請求しなければ受け取れません。給付金の請求が遅くなると、受け取れたはずの給付金が受け取れなくなってしまうこともあるのです。

 

しかし、言い換えれば、請求さえすれば原則、年金と同じ日(偶数月の15日)に2ヵ月分ずつ支給されることになります。さらに、一度支給が開始され、支給がずっと継続される場合は、再度の請求は不要です(※ただし、1度不支給となって再度支給される場合は請求が必要です)。

 

支給は10月~翌年9月分までの1年サイクルとなりますので、所得が上がって先述した②の所得基準額を上回ると、次の1年間は給付金が支給されないことになり、逆に所得が下がって基準額以下となると1年間支給されることにもなります。

 

今後、Aさんが再び働くなどして収入が増えた場合、給付金は支給されなくなることもあります。ただし、年金生活者支援給付金はあくまで低所得者を対象とした給付金であることから、働いているほうが総収入も多く、給与と年金との合算した額で受け取れることにはなります。

 

給付金を受け取れることを知り、少しだけ前向きになったAさん。「とりあえず給付金はもらえるけど、体力や体調をみながらまた働こうかな」と思うようになったのでした。

 

 

井内 義典

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役

特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者

 

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※個人情報保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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