複数物件を保有することのメリット
2軒目取得に成功したら、いよいよ本格的な大家さんです。着実に1軒ずつ増やして、毎月の収益を確実に上げていきましょう。
複数物件を所有することで、不動産投資のリスクを減少させることができます。収益のブレを減らすということです。
たとえば、区分所有のマンション1部屋を持っていて、入居者がいれば家賃収入は毎月確実に入ります。しかし、その入居者が退去すればその途端、家賃収入はゼロになってしまいます。
ローンの返済には自分の持ち出しが発生しますし、空室が長く続けば、不動産事業を続けることが難しくなることもあります。
ところが、3部屋持っていれば、1部屋空室になっても、2部屋から家賃収入が入りますのでゼロにはなりません。ゼロにならなければ、ローンの返済にも困りませんし、不動産事業を続けていくことができます。ローンの返済を続けていくことができるということは、いずれ完済できますのでさらに経営が楽になります。これが複数物件を所有することのメリットです。
もう一つのメリットは、所有する物件が増えることで、より多くの融資を受けられるようになることです。投資効率がさらに良くなります。
複数の物件をどこに買うのが良い?
1軒目の物件と2軒目の物件の距離は、自分の家から近いほうが気軽に自分も見に行けるし、同じ不動産会社に管理を依頼することができるなどのメリットを活かすことができます。
ただし、近くなくてはいけないことはありません。自宅の近くや1軒目の物件の近くでなくても、仕事などで訪れていて、入居需要を把握しているなど成功への道筋が見えているケースならば遠方でも良いでしょう。
一方、自分で管理をしたいとか、同じ不動産会社に管理を依頼したいという場合であれば近くで持つほうが良いでしょう。
個人投資家の人で、同じマンション内に何部屋も買う人がいます。しかし、リスクを分散するという観点では良くないと思っています。
その地域の入居需要が急激に減った場合に対応できませんし、物件で火災が起きたり、地震が起きたり、自殺などが起きたら避けようがありません。
たとえば以前、高層マンションで次のような事件がありました。この物件は3階がルーフバルコニーなっている物件です。ところが、最上階から飛び降り自殺があり、3階のルーフバルコニーで墜落死してしまいました。
つまり、ある日突然、いきなり事故物件になってしまったのです。不動産は自分のミスではなく外部的要因で急激に価値が落ちる可能性があるということを認識していなければなりません。
物件の価値はさまざまな要因で急激に下がります。同じ物件に複数の部屋を持っていると、その影響はすべての部屋に及んでしまう場合もあるのです。
細川 勝矢
株式会社不動産SOS 代表取締役会長