(※画像はイメージです/PIXTA)

相続税の申告を済ませたあと、1、2年経ってからいきなり税務調査が入ることがあります。その場合、被相続人の生前に行われた「相続税対策」や、相続開始前後に相続人が行ったことが原因で、追徴課税を受けてしまうことがあります。そのような事態を避けるために、相続人がやってはいけないNG行動はどのようなものでしょうか。税理士の黒瀧泰介氏(税理士法人グランサーズ共同代表)が解説します。

「生命保険」で確認すべき3つのポイント

たとえば、生命保険の「契約名義人」「受取人」が配偶者や子であっても、「保険料の支払い」を実質的に被相続人が行っていれば、「契約者」は被相続人となります。したがって、その保険契約は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となるのです。

 

つまり、生命保険に関しては契約名義だけではなく、保険料負担者が誰かということが重要です。納税資金対策などで生命保険を活用している場合、次のことを見直して整理しておいてください。

 

・保険料を支払っていた人は誰か(契約者)

・保険が掛けられていた人は誰か(被保険者)

・保険金は誰が受け取ることになっているか(受取人)

 

相続対策は基本的に親心からスタートし、いろいろな対策が行われていきますが、対策を講じるのと同じく重要なことが、相続人となるべき家族とコミュニケーションをとり、必要な情報を開示することです。

 

税務調査が行われるときは、本人は亡くなっており、相続人たちは残された状況証拠をもとに税務署とやりとりをしなければなりません。

 

税務調査の現場において、「なんでお父さんはこういう対策をしたんだろうね」「教えてくれればちゃんと対応できたのに」「すでに亡くなっているので私たちにはわかりません」といった声をよく聞きます。

 

亡くなった後に残された家族が困ることも想定して、生きているうちに、家族への想いや所有財産に関する情報を相続人にしっかり伝えることで、相続対策は実のあるものとなります。

 

 

黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表

公認会計士・税理士

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。