公的年金の将来に対する不安が叫ばれて久しいです。なかには年金制度が崩壊するという説までもありますが、年金だけで十分な老後資金を得られるわけではないというのが現実です。本記事では、公的年金の仕組みとともに、30代の人が老後のために第2の年金を作る方法を解説します。
年金だけでは暮らせないだろう…30代がいまから毎月プラス7~8万円の「第2の年金」を準備する方法 (※写真はイメージです/PIXTA)

会社員の年金受給額の目安

会社員として勤めている方は、将来どれくらいの年金を受け取ることができるのでしょうか。細かい金額になると人によってさまざまなので、ここでは年金受給額の標準的な金額を把握しておいていただきたいと思います。

 

平均的な年収のサラリーマンの場合

サラリーマンは厚生年金に加入しているので、厚生年金保険の平均的な受給額を見てみましょう。厚生労働省が発表している「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、受給している年金の月額平均は14万4,965円です。

 

サラリーマンとして現役世代を過ごした方々は、おおむね1人あたり14万円台の年金を受給することになるとイメージしておくと目安になると思います。

 

高所得サラリーマンの場合

厚生年金は会社員や公務員など給与所得者が加入する年金のことで、サラリーマンは国民年金と厚生年金の2つに加入しています。国民年金はすべての人が対象なので1階部分と呼ばれ、厚生年金は条件を満たしている人だけが加入するので2階部分と呼ばれています。

 

サラリーマンとして働いてきた人は1階と2階の両方に加入しているので、老後は両方を合わせた金額を受給することができます。

 

1階部分の国民年金の金額は変わりませんが、2階部分は現役世代に受け取っていた収入額によって払い込む年金額が変動するため、それに応じて老後の受給額も変動します。簡単にいうと現役世代の収入が高かった人は老後に受け取る年金額も高くなります。

 

たとえば、現役世代に年収1,000万円だった人が老後に受け取ることができる年金額は、約25万円です。先ほど紹介した平均値よりは高い金額ですが、現役世代の収入格差ほど老後の年金受給額には差がないことにお気づきではないかと思います。しかもこれは現役世代にずっと年収が1,000万円だったケースを想定しています。実際にはそういったケースは稀なので、年金額はもっと少なくなるでしょう。

 

サラリーマンとして高い収入を得ていた人であっても、老後に受け取る年金は平均値よりも9万円程度多いだけというのも、ひとつの事実として知っておいてください。