アッパーマス層とは、普通の人よりも生活に余裕があり、お金持ちの入り口に立っているような層を指します。具体的には、3,000万円以上5,000万円未満の純金融資産を保有し、日本での割合は13.2%です。しかし、自由を謳歌するようなライフプランを実現するには、まだ少し資産が足りません。そこで本記事では、アッパーマス層がより資産を増やす方法について詳しく解説します。
港区の高級タワマンに住むエリートサラリーマン「資産1億円超え」への熱烈な憧れ…叶えるための具体的な手段 (※写真はイメージです/PIXTA)

「アッパーマス層」とは?

アッパーマス層とは、世帯の純金融資産の保有額別に5つにわけたとき、下から2番目にくる階層のことです。この5階層は、株式会社野村総合研究所が行う調査結果※1により、同社が定義しているものです。純金融資産とは、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険などから、負債を差し引いた、その人の持っている資産のことです。

アッパーマス層の定義

現在日本には5種類の純金融資産の階層があり、一番上は超富裕層という「超のつくお金持ち」、いちばん下は、マス層という「普通の人たち」がいます。このあいだに、3種類のお金持ちが存在し、全部で5種類の資産の階層があります(内訳は下記参照)。下から2番目、保有している金融資産が3,000万円〜5,000万円、日本の13.2%の割合を占めるのがアッパーマス層です。

 

マーケットの分類    世帯の純金融資産保有額        世帯数        存在の割合

超富裕層        5億円以上             8万7,000世帯        0.2%

富裕層         1億円以上5億円未満        124万世帯          2.3%

準富裕層        5,000万円以上1億円未満      341万8,000世帯       6.3%

アッパーマス層     3,000万円以上5,000万円未満    712万1,000世帯       13.2%

マス層         3,000万円未満          4,215万7,000世帯       78%

 

1.超富裕層

超富裕層は、純金融資産保有額が5億円以上ある方のことです。かなり数は少なく、日本人全体の0.2%しかいません。超富裕層の方は、一代で大きな財を成した方や、ファミリービジネスとして大きな企業を複数持っている方など、その背景はさまざまです。一代で財を成した方で超富裕層に入る方には、日本ではユニクロの柳井正氏や、楽天の三木谷浩二氏などがいます。ファミリービジネスをしている超富裕層には、ブリヂストンタイヤの創業者である石橋家、トヨタ自動車の豊田家、森ビルの創業者一族の森家などがあげられます。

 

2.富裕層

富裕層は、日本人の中で2.3%の割合、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の方です。多くの人がイメージする「お金持ち」と近いかもしれません。大別すると2タイプがあり、非常に高い所得を得ている「フローリッチ」タイプと、潤沢な資産を持っている「ストックリッチ」タイプがいます。どちらも、仕事をしているかどうかは別として、労働をしなくても食べていけるレベルの資産を保有しています。フローリッチは経営者や外資系企業の上級役員、大きく成功した芸能人などが該当します。ストックリッチにはさまざまな背景の方が含まれますが、基本的には、なんらかの不労所得による収入があります。

 

3.準富裕層 

準富裕層は、日本人全体の6.3%の割合で、純金融資産保有額が5,000万円以上1億円未満の方です。一般的には資産家の部類に入り年収も多いのですが、まだ、不労所得で生きていくライフスタイルではない方が多いようです。

 

準富裕層に入る方には「インカムリッチ・プロフェッショナル(高収入の専門職)」という共通点があります。たとえば、弁護士・公認会計士などの士業の方、外資系企業の経営幹部や経営コンサルティングなどの金融系の専門家、またはキャリア10年以上の勤務医など、高収入で専門性の高い仕事をしている方々です。収入は多いのですが、仕事は激務かつ長時間労働であることが多い傾向で、いわゆる「稼いでいても使う暇がないほど忙しい」タイプです。お金に関心があっても、資産運用するための調査や勉強をする時間もエネルギーもないため、ひたすらお金だけが溜まっていくケースが多いようです。

 

また、努力をして難関を勝ち抜き、自分の選んだ仕事をしている方が多いので、特に不労所得を得ながらのんびりしたいという希望はないタイプが多い傾向にあります。そのような生活スタイルは、セカンドライフで満喫しようというわけです。

 

このほか、都市部に住む夫婦共働き家庭で、大手企業や公務員に定年まで勤め上げた方なども該当します。たとえば、夫婦2人の退職金で合計4,000万円~5,000万円程度の金額を受け取るケースが多く、定年のタイミングではマイホームのローンも完済しているため、不動産資産と退職金に、いままでの保険・株式・貯蓄額などを合わせると、世帯資産が軽く1億円を超えます。

 

4.アッパーマス層

アッパーマス層は、日本人全体の13.2%存在する、純金融資産保有額が3,000万円〜5,000万円の方です。この層の方は、本人が高収入の職業であるか、または、もともとマス層だったところから、資産運用や貯金などをコツコツ続けながらアッパーマス層まで来た方も含まれます。

 

マス層のすぐ上であることから、普通の暮らしよりも少し自由度の高い暮らしぶりができているといえます。余裕のある預貯金がありますので、一時的に労働から離れても、しばらくは暮らしていくことができますが、アッパーマス層の資産力では、生涯を労働なしでは生活することは難しいでしょう。

 

起業をして経営者になっている方もいますが、ほとんどは給与所得を得ている状態で、給与以外にもなんらかの収益が発生する方法を併用している傾向があります。

 

昨今の「FIRE」などのようにセミリタイアメントを目指している途中の方や、相続などで急に資産が増えた方で、純金融資産が3,000万円〜5,000万円になれば、一時的にアッパーマス層になります。マス層のすぐ上ですので、若い世代の方でも、努力次第でこの層に入ることができます。

 

5.マス層

日本国民のほとんどの方が属する層です。いわゆる「普通の人」のことで、国民全体の8割近くです。特徴としては、労働収入がメインであり、労働を止めると、すぐに生活ができなくなります。純金融資産が3,000万円以下なら全員が含まれますので、同じ層の中に、2,900万円もの資産がある方と、資産ゼロ円の方が混在しています。