(※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢社会の昨今、「いずれは自分も、親の介護をすることになるのだろうか」と思いながら、日々仕事などで忙しくあまり考えないようにしている現役世代も多いでしょう。80代の両親と同居するAさん(51歳)もそのひとり。父の異変に気づき「面倒をみるのは自分しかいない」と思い詰める一人息子のAさんに、牧野FP事務所の牧野寿和CFPはどのような助言をしたのでしょうか。みていきます。

公的制度を頼りながら、自身の生活も守る

筆者は試算の結果についてAさんに、

 

お父さまが認知症の治療と介護サービスを受けたとしても、両親の年金とAさんが毎月実家に入れている8万円を使えば、両親の貯蓄(約1,200万円)を取り崩すことなくいままでどおり生活していけますよ」とお話しました

※ 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度によると、要介護度1の月額介護費用は5.3万円、介護度にかかわらず在宅での介護費用は月額4.8万円、施設では12.2万円。また、住宅改造などの一時的な費用の合計は平均74万円。介護期間は平均5年1ヵ月となっている。

 

また、全国銀行協会は2021年2月に「金融取引の代理等に関する考え方」として、「基本的に、認知症の顧客の預金引き出しは成年後見制度の利用が求められるが、顧客の医療費などの使途に限り、親族が代わりにお金を引き出せる(抜粋)」と公表しています。そこで筆者は、「両親の貯蓄はAさんが管理してはいかがでしょう」と提案しました。

 

さらに、Aさんは筆者の事務所を訪れるまでに、数回父の介護の手続きなどで年休を取っていました。そこで、筆者はAさんに、介護休暇や介護休業についても説明を行いました。

 

出所:厚生労働省の資料などをもとに筆者作成
[図表5]介護休暇や介護休業の概略 出所:厚生労働省の資料などをもとに筆者作成

 

◆まとめ…Aさん自身の人生設計も大切

Aさんは、自身の老後は65歳で定年退職してから考えるつもりでした。しかし今回のことで、自分もいずれ施設に入居すると考えたら将来が不安になったそうです。そこで筆者は後日、Aさんの預金残高も考慮した、ライフシミュレーションの提案をすることになりました。

 

やみくもに心配しましたが、なんとかやっていけるようでよかったです。80歳を過ぎた両親に介護保険などの複雑な制度を理解させるより、自分が理解して見守ってやらなければ

 

帰り際Aさんは、決意を新たにそう話してくれました。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。
※本記事で紹介した介護サービスの手続きの詳細は、自治体ごとに異なるところがあります。

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