カードでも現金でも、結局「払っている」のは同じ
1000万円貯めた女子がやめたことの5つめは、「カード払いではなく現金払い」。
つまり、買い物をするときに「カードか現金か」を選べる場合、これまでは現金払いを選んできたけれども、それをやめた、という意見です。この「カード払い」には、電子マネーも含まれます。
そう、1000万円貯めた女子たちは、「カードだろうが、電子マネーだろうが、現金だろうが、好きな方法で払えばいい」と言うのです。それどころか、さらに話を聞いてみると、「カードとか電子マネーで払ったほうが、実はお得ですよね」とまで言っていました。
たとえば、1万円の買い物をした場合、クレジットカードや電子マネーの多くはポイントが付与されます(前回私は「ポイ活」を否定する発言をしましたが、それはポイントのために積極的に何かをすることを止めるもの。自動でついてくるポイントを否定するものではありません。自動で貯まるポイントは私も好きです)。
また、何月何日に、どの店で、いくら使ったかを一覧にしてくれるので、家計簿をつけるのをやめた場合には、支出の管理にも使えます。その意味では、何種類ものクレジットカードや電子マネーを併用するよりも、「クレジットカードはこれ」「電子マネーはこれ」と絞ったほうが管理はしやすいでしょう。
昭和・平成の価値観からは卒業を!
ところで、「親に昔、クレジットカードよりも現金を使え、と言われました」という人は一定数いるようです。それでクレジットカードや電子マネーに抵抗感がもしあるならば、その抵抗感は今すぐ捨てなさい!
なぜか。その理由をお話ししましょう。
1つめ。まず、親御さんが「クレジットカードよりも現金を使え」と言ったのは、いつですか?
大学生になったとき、社会人になったときなど、自身の購買行動や金銭感覚が固まりきっていない時期が大半ではないでしょうか。
過去にカード地獄を経験したことのある方は、そのタイミングかもしれませんね。
これらはいずれも、「お金のリテラシーがないとき」。お金のリテラシーのまだないわが子が、カード地獄、借金地獄に陥らないように……という親の愛です。
高校生の子どもに「門限は夜8時!」と言っていたのと同じ心境でしょう。
一方、本書を読んでいるみなさんは「書籍でお金の貯め方を勉強しよう」というリテラシーをすでにお持ちです。そしてもちろん、クレジットカードや電子マネーで買い物をすれば、自分の口座の残高が減ることを知っています。
そんな状態になった今、果たして親の言いつけを守る必要はあるでしょうか? 門限同様、卒業してもいいと私は思います。
2つめ。ここ数年で、現金の利便性はどんどん下がっています。
現金での支払いの場合、いつ、どこで使ったかを振り返れませんし、直接顔を合わせないとやりとりできません。何より衛生的とはいえません。
この傾向は、新型コロナウイルスの流行によって、ますます顕著になりました。
要するに、時代は着実に「脱・現金」の方向に流れているということです。今後は、もしかしたら「現金お断り」という店舗が増えていくかもしれません。
それなのに、小銭をじゃらじゃらと持ち歩く生活にこだわる理由はない、といっていいのではないでしょうか。