(※写真はイメージです/PIXTA)

芸能人など有名人が「年の差婚」をして話題となることがありますが、年の差婚の夫婦の場合、特に老後の資金計画は入念に練る必要があります。本記事ではAさんの事例とともに、年の差婚の厳しい現実について、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。

56歳でFPに初めて相談してみることに

46歳からの10年間で夫のAさんが貯められたお金は400万円。51歳のときにAさんの母親が亡くなったときのわずかな死亡保険金200万円を含めての額なので、実際には200万円しか貯められていません。

 

子供はまだ10歳です。定年退職は65歳に延長しましたが、あと9年しかありません。現在の年収は1,020万円です。役職定年をして年収が少し下がったし、父親の介護にもお金がかかっている。自分の老後はどうなるのか不安という気持ちでいっぱいです。

 

FPの答えは厳しいものでした。

 

「あと、10年と少しくらいですかね……Aさんが67歳になるときには家計が完全に破綻します」

 

Aさん世帯の家計の特徴は次のようなものです。

 

・Aさんの定年退職後、収入はAさんの老齢年金だけになる

・老齢年金は342万円の予想(老齢基礎年金75.5万円、老齢厚生年金204万円、加給年金62.6万円)

・妻が無収入

・住宅ローン返済(毎年193万円)が75歳まで続く

・妻が老齢年金を受給するときに夫は82歳

・妻の老後は夫の介護からスタートする

・Aさん亡きあとは前妻との子供が相続の遺留分を主張する

 

Aさんは絶望的な気持ちになりました。再婚するときに前妻が「無計画過ぎて笑っちゃうわ」と言った言葉を思い出しました。決して無計画ではなかったけれど、想定外のことが起きたせいだと、少し妻Cさんの顔が思い浮かびました。

 

Aさんがこれからどうすればいいのか質問しました。FPからの答えはこうです。

 

・妻がフルタイムで就職すること(必須)

・Aさんは定年退職後もアルバイトをするか、可能であれば再就職をすること

・生命保険に加入し子供の生活を守ること

・生命保険を使って前妻との子の遺留分相当額を用意すること

・効果は高くないが、支出の引き締めをすること

 

「病気があって保険には入れないし、自分が働くしかできることが無さそうです……。いっそのこと、離婚したほうが楽なのかもしれませんね……」

 

Aさんはそういって嘆きました。年の差婚には夫婦が協力して乗り越えるハードルが多いため、歩み寄れない夫婦関係では破綻を招くだけというのが現実なのです。

 

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