サラリーマンが給与を上げる手段は大きく2つ。転職をするか、出世を目指すか。一方で、出世に対しても「頑張って上を目指す人」と「そんな人を冷ややかな目で見る人」に二分することができます。この両者の結末をみていきましょう。
勝ち組・同期は〈月収70万円〉だが…「出世なんてくだらない」50代・負け組サラリーマン〈残念すぎる給与額〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

いまどきの若者は「出世欲がない」が…いまの管理職も若いころは「出世欲がなかった」

日本経済を支えるサラリーマン。大きく「出世欲のある人」と、「出席欲のない人」に二分できるでしょう。

 

転職サイト比較plusが全国の20~29歳の男女2,327人を対象に実施したアンケート調査によると、「将来、役職者になりたいですか?」の問いに対し、「はい」は22.4%、「いいえ」は77.6%。若手社員の8割は、出世を望んでいません。

 

出世したい理由のほとんどが「給料をあげたいから」。厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、20代前半のサラリーマン(正社員)の平均給与は月収で22.1万円、年収で346.1万円、20代後半では月収26.2万円、年収437.3万円です。手取りにすると、月17万~20万円程度といったところでしょうか。ひとり暮らし、しかも家賃の高い大都市では、ちょっと贅沢ができそうもありません。そう考えると、「出世して、給与を上げるんだ!」という人がもっと多くてもいいような気もしますが……。

 

出世したくない理由。多いのが「責任ある仕事をしたくない」と「プライベートを大事にしたい」の2つ。仕事で忙殺される先輩や上司をみて、「あーはなりたくない」と思っているのでしょうか。また同調査で回答した20代のうち、現状、役職がついている人は14.7%。多くがプレイヤーとして成長途中でマネージメントの仕事がどのようなものか理解していない人も多いでしょう。イメージだけで「イヤっ!」と答えているケースも相当数いるのではないでしょうか。

 

ちなみに「出世したい!」と回答した人に、どのポジションまで出世したいのか聞いたところ、「代表クラス」が13.4%、「役員クラス」が16.9%、「部長クラス」が28.0%、「課長クラス」が20.8%、「主任クラス」が20.8%でした。

 

このような話題になるたびに、最近の若者は「出世欲がない」「上昇志向の足りない」など、批判的な声がチラホラと聞こえてきますが、実は、日本の若者像に大きな変化はありません。

 

マイナビが毎年実施している『大学生就職意識調査』のなかの「あなたの就職観にもっとも近いものはどれか?」という質問に対し、トップは「楽しく働きたい」、2位は「個人の生活と仕事を両立させたい」。この順位は2001年卒調査と2022年卒調査で変わっていないとか。現在、中間管理職として奮闘している40代後半のサラリーマンも、新卒時は「仕事よりもプライベートが大事」といっていたわけです。