休みを謳歌したあとの月曜日。リフレッシュしたはずなのに、会社に向かう足取りはなぜか重い……。「このまま逃げ出してしまいたい……」そう思う人もいるでしょう。では実際に「仕事から逃げた経験がある人」はどれほどいるのでしょうか。みていきましょう。
月曜から憂鬱…年収600万円・40代サラリーマン「この仕事量、どうしろと」我慢の先に待つ悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

仕事で心が壊れてしまう人は右肩上がりで増加中

「この仕事量、どうやってこなせというのだろう……」

 

そう思ったとしても、そっと心にしまい「仕事だから」と耐えて耐えて耐えて……過度なストレスによって、最後は心が壊れてしまうことも。同白書で「精神障害の労災補償状況」をみていくと、2022年度は2,683件。近年はきれいな右肩上がり。仕事によって心に不調を訴える人が増え続けているということです(図表)

 

出所:厚生労働省『令和5年版過労死等防止対策白書』『過労死等の労災補償状況』
【図表】精神障害に係る労災請求件数の推移 出所:厚生労働省『令和5年版過労死等防止対策白書』『過労死等の労災補償状況』

 

業種別に労災請求件数をみていくと、最多は「医療、福祉」で23.3%、「製造業」14.6%、「卸売業、小売業」14.3%と続きます。「医療、福祉」が多いというのは、新型コロナウイルス感染症の対応で労働時間が増えたことも関係しているでしょう。また年齢別では「40~49歳」29.0%、「30~39歳」22.4%、「50~59歳」21.8%の順で多くなっています。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、40代前半のサラリーマン(正社員)の平均給与は月収で37.0万円、年収で616万円。徐々に中間管理職として活躍をする人も増えるタイミング。給与は600万円台に突入し、さらに一段高いステージへと駆け上がっている最中でしょう。一方で上層部と若手との調整を図らなければならず、常に板挟み状態。仕事量も雪だるま式に膨れ上がり、体力も精神も擦切らしてしまう人も。大きなストレスをため込んでしまい、心が壊れてしまう人が多いでしょう。

 

実際にどのようなことで心の不調が生じたのか、出来事別に労災支給決定(認定)件数をみていくと、最も多いのが「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」つまりパワハラ、セクハラが147件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」89件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」78 件の順に多くなっています。

 

月曜は誰もが憂鬱ですが、月曜日ではなくても憂鬱なのは、黄色信号かも。耐えに耐えて心が壊れてしまっては仕方がありません。前出のアンケート調査のとおり、限界を超える前に「仕事から逃げること」もときには大切。「もう限界です。今日は休みます」と思い切って電話してみてもいいかもしれません。