愛着障害と発達障害とは違うの?
発達障害が先天性であるのに対し、愛着障害は虐待などを原因とする後天的なもので、この2つはまったく異なるものです。しかし、とくに脱抑制性型対人交流障害の場合、走り出したりなど発達障害に似ている症状があるため、愛着障害であるにもかかわらず発達障害であると診断されてしまうことがゼロではありません。発達障害と診断されても、症状がよくならないなどの場合は、セカンドオピニオンやサードオピニオンを受けてみることをおすすめします。
愛着障害の対処法
愛着障害の子どもには、まず安全基地と呼ばれる、困ったときや不安、恐怖を感じたときに守ってもらえる「よりどころ」を作る必要があります。本来なら安全基地は親であるべきですが、虐待などでそれが難しい場合は、祖父母などの親族、それも困難であれば、かかりつけのお医者さんに協力してもらって、カウンセリングなどを受けてみてください。子どもが愛着障害である場合、その親御さん自身同じように育てられて愛着障害であることが多々あります。そのため、親子で一緒に専門家に相談して、支援を受けるのが解決の近道です。
安全基地ができたら、子どもと過ごす時間を増やして、しっかり顔を見て声をかけてあげるなど、たくさんコミュニケーションを取るようにします。子どもが言ったことを全否定しないよう気をつけることも大切です。
愛着障害を抱えたまま成長すれば、不登校になったり就職できなかったりなど、社会に出てもうまくいかないケースが少なくありません。できるかぎり早めに対処してあげることが必要です。
愛着を育むためには
愛着を育むためには、何か特別なことは必要ではありません。愛着は日々のコミュニケーションを通じて形成されていくものです。しかし、親になる人は愛着とは何かをよく理解し、自分の子どもとのあいだに愛着を形成するという意識をしっかり持っておくことが大切です。
親御さんの中には、自分が親になったのが間違いだったという考え方を持つ人もいますが、親御さんも一緒に少しずつ成長すればよいので、自分を責めずに前向きに進んでいきましょう。
不安なときは早めに相談を
自分の子どもが何らかの障害を持っているのでは、と感じることがもしあれば、勇気を出して病院や自治体の相談所などに行ってみてほしいと思います。お子さんに発達障害などがあった場合、早くにわかるということがとても大事だからです。反抗期や思春期に入ってしまうと、なかなか支援がしにくく治療にも時間がかかってしまいます。小さい頃から対応すれば、早く通常の暮らしができるようになります。
子育てに不安があるのはみな同じです。不安や心配事があればひとりで抱え込まず、保育士や学校の先生、ネットの専門家などに、積極的に頼って相談してください。