片付けは「見た目すっきり」と「見た目より効率」を使い分ける
整理収納は整理が8割。とはいえ、「すっきり」ばかりを優先させると、逆に暮らしが不便になることもあります。
例えば、大きなテレビ台はない方が絶対にすっきりしますが、そこにものを収めた方が毎日の暮らしの効率が良くなるのであれば、テレビ台はあった方がいい。
見た目をすっきりさせるためにクローゼットの奥にしまい込めば、いざ使う時、クローゼットを開けて、さらにその中の棚を開けて、とアクションが2回、3回に増えてしまうこともあります。すっきりばかりを優先させると、ちょっと面倒くさいことになりかねません。だから、私は「すっきり」と「効率」をバランスよく配分したい。
本来、壁には何も貼らない方が部屋はすっきりしますが、我が家は子どもたちの掲示板を壁に吊り下げています。子どもたちのスケジュール管理や、自分たちで準備することを想定した時、壁を利用するのが一番効率が良いと判断したからです。
また、冷蔵庫の横には、定番のメニューに絞った1週間の「ルーティン献立表」を貼っています。これも文字でがちゃがちゃして見えますが、なくなりそうな調味料を書いておけば買い忘れも防げるし、これを見て「今日の夕飯は1番がいい!」など、子どもたちとのコミュニケーションツールにもなっているので外せません。
一方で、文字によって半減した「すっきり」感は、インテリアの色でカバーしています。色で悩む場合は白か黒を選ぶのがおすすめで、私は部屋が明るくなるので白に統一しています。あなたも暮らしに合わせて、「すっきり」と「効率」をうまく使い分けてみませんか?
ここ、もっと何か入れられそう…という思考は本末転倒
整理収納でよくやりがちなのが、「足すことばかりを考える」こと。空白や余白があると、「もっと何か入れられそうだ」と思ってしまうんですね。
私が今の家に引っ越してきた当時、キッチンカウンターの下は空っぽでした。別に何も入れるものがなかったのでそのままにしておいたのですが、それを見た母がひと言。
「ここに何か入れられそうじゃない?」
汚部屋時代の私もそうでしたが、余白があるとつい、何かを収めようとする心理が働きます。でも、片付けや整理収納に関しては、余白を埋めようという思考はマイナスにしかなりません。
片付けをする上では、足し算より引き算が大事です。だから私は、持っているものをきれいに収納するのではなく、「ものを減らすことで、どうやって収納に、時間に、心に、余白を生み出すか」という思考に切り替えました。
それによくよく考えてみれば、使うものだけに「整理」したから結果的に余白ができたのに、無理に何かを収めようと考えるのは本末転倒です。余白ができたら、「余白ができたぜ、イェーイ!」と、楽しむ余裕を持ちましょう。
片付け始める前に覚えておきたい「やりがちなNG行動」
さぁ、片付けるぞー!と一歩踏み出したあなた、最高です。天才です。女神です。
でもちょっと待って。せっかくの行動力が無駄にならないように、片付けを始める前に、まずはやりがちな失敗行動を把握しておきましょう。
①小物収納を買い足す
何度も言いますが、整理収納で大切なのは整理が8割。片付けには収納が必要、という思い込みはきっぱり捨てて、まずは使っていないものを追い出すことに専念しましょう。収納を考えるのは、最終段階だと心得て。
②余白キラーになる
「何か入れられる」という時点で、すでに何も入れる必要はありません。入れる必要が出てきたら考えればいいだけ。せっかくできた余白を楽しむことを覚えましょう。
③収納テクを追い求める
必要なものだけに囲まれていたら、収納テクなんて必要ありません。収納テクに固執して、不要な収納グッズを買わないように気をつけて。
④シンデレラ・フィット信者になる
本来のシンデレラ・フィットとは、「自分の暮らしにフィットしている」ということ。入れるものがないのに、シンデレラ・フィット収納を目指す必要はありません。
⑤他人のものを勝手に捨てる
例えば1年以上もほったらかしになっている夫の書類も、必ず確認を取ってから捨てています。子どものものも同じこと。どうして必要なのかが明確であれば、収納の枠に収まる範囲で残しておきます。
「無駄遣いがなくなる部屋」に整えて、最高のパワースポットに
部屋が片付いて家にいるのが一番快適なら、無駄な外出も出費も減っていきます。どこかの神社へお参りに行くより、家を片付けた方がよっぽど金運のご利益がありますよ。整った我が家は最高のパワースポット! さあ、早速今から片付けを始めてみましょう!
なごみー
3男1女、4児の母。整理収納アドバイザー1級
6人家族、56平米賃貸暮らし。楽しい節約生活、暮らしの工夫をSNSで発信中の蓄財系整理収納アドバイザー。元借金あり、汚部屋で暮らすポンコツ主婦から一念発起して、子どもたちの教育費4000万円を貯めることを目標に、家庭内のすべてを見直したことで、何もかもがうまく回るように。ズボラ主婦ならではのハードルは低く、かつ効果抜群なお金が貯まる・暮らしが回る生活のテクニックがメディアで話題に。