好評を博したパートナー向けの説明会
――実際に造船所などを視察してみて、パートナーさんへの商品の伝え方なども変わりましたか?
早乙女 そうですね、実際に視察すると、パーツごとに分けて組み立てる船の作り方からはじまり、その大きさや複雑な構造、日本ならではのステンレスの溶接技術など、一言でいうと“感動”しました。その感動は、パートナーさん向けの資料作り等に生かされたと思います(笑)。実際、6月から8月にかけて実施した、パートナーさん向けの船舶ファンドに関する説明会も、その感動が伝わったようで、非常に好評でしたね。
土居 この説明会は、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌と5都市で開催したのですが、63社の税理士・会計士事務所さんに地方銀行さん、人数にして100名近い方にお越しいただきました。そのうち、半数くらいの方からはすぐに「クライアント企業に船舶ファンドを紹介したいから、同行してもらえないか?」というお問い合わせをいただき、お申し込みについても続々といただいているかたちです。
先ほどもお話したとおり、先生方も船舶ファンドの仕組みはよくご存じですから、この商品の優位性はすぐにご理解されるのだと思います。ただ、さすがに具体的な船舶の種類や今回のレッシー(リース先)さんのことまではわかりません。
今回のファンドが保有する“ケミカルタンカー”が、化学品の運搬に使用されるものであることは想像できても、他のタンカーと比較してどんな特徴があるのかまでは把握していません。
ですから、クライアント企業のところに同行させてもらって「ケミカルタンカーは他の船舶と比較して市況の波が少なくて・・・」とか「今回のレッシーさんは世界最大規模のケミカル船の運航プールを有しておりまして・・・」と、ご説明させてもらっています。ただ、私も造船所の視察に行かせてもらえば、もっとよいプレゼンができると思っていますので(笑)、10月には造船所での第2号船の引き渡しに同席して、実際に対象船を視察してくる予定です。
レッシーが海外の事業者だけに・・・
――船舶ファンドを取り扱うことに関して、特に苦労した点はどのようなところでしょうか?
早乙女 太陽光ファンドであれば、階戸を含め、社内の人間に指示を仰げば答えが返ってきましたが、船舶ファンドについては試行錯誤です。片っ端から参考文献を読みつつ、外部のアドバイザーさんに意見を聞き、商品性を固めていくという日々でした。
津田 特に、レッシーさんが海外の事業者さんなので、スキームを詰めるためにロンドンから来日してもらってミーティングしたり、スキームを合意した後も、英語の契約書を詰めていくのにも一苦労でしたね。
早乙女 正直、日本語でも目を通すのが大変な契約書だったと思います(笑)。分量にして300ページ以上ありましたから。もちろん、一人ですべてを理解することは難しかったので、会計処理に関する内容はミナトマネジメントさん、法律面や契約内容に関しては弁護士の先生や外部の金融機関の方にアドバイスをいただきながら、今回の商品設計に沿うようなかたちでドキュメントにしていきました。
おそらく、ピークの時期は毎日5時間近く、いろいろな方に電話して、アドバイスをもらっていたかと思います。
津田 ロンドンとは時差もありますし、その調整のため深夜まで仕事することも多かったです。
早乙女 外部のアドバイザーさんがレッシーさんとの窓口役を務めてくださったのですが、「こういう条件は飲んでもらえるか?」といった細かな確認をするために、夜に弁護士事務所に集まってもらって、ロンドンにいるレッシーの担当者と深夜までテレフォンカンファレンスを行ったことも何度かありましたね。本当に、関係者の方々には感謝しております……。
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