日本において不動産の高値売却は簡単ではありません。本連載では、物件を高値で売却するために「必要な対策」を紹介します。

「売却のための満室」とは何か?

高値売却は、優先順位順に、以下の手順で進めていきます。

 

①空室を埋めて家賃を高く取る

②細かい部分に手を入れてキレイにする

③住んでいる入居者を出さない

④大規模修繕

 

満室のまま家賃をキープしつつ、リフォームを行い売りに出す。これが高値売却を実現するための作戦です。そしてまず取り組むべきことは、空室改善です。

 

不動産オーナーが売却を検討する理由のひとつに、空室が続いて経営状況が悪化していることが挙げられます。しかし売却を有利に進めるために、空室改善は避けて通れない道です。

 

ここで注意したいのは、「経営を続けるための満室」と「売却のための満室」とでは、意味がまったく異なるということです。本連載で解説する空室改善策は、売却に特化したノウハウとなります。

収益物件も「満室」であればより高く売却できる

まず、基本的な知識を解説しましょう。収益物件として、「全空」と「満室」の物件のどちらがより価値が高いかといえば、当然、「満室」のほうです。両者を売却する場合、その差は金額にして何百万円の開きにもなります。

 

入居を付けるためのノウハウは、それほどコストがかかりません。ですから満室にすることで、十分に元を取ることができるはずです。多少コストをかけてでも、できる限り空室を埋めてから売りに出すべきです。

 

入居率が悪い状態で売りに出すと、それが原因で融資が組めなくなります。空室だらけの物件では、今後の経営が難しいと見なされるからです。

 

あえて空室が多い物件を安く購入する、という不動産投資手法もあります。空室率が高いことを理由に、かなり安く指値して購入するというやり方です。しかしそれはあくまで不動産投資の上級者向け。一般の不動産投資家は、なるべく満室に近い物件を購入したがるものなのです。

本連載は、2015年10月26日刊行の書籍『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

新川 義忠

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産投資ブームが過熱する中、多くのサラリーマン投資家が誕生しています。家賃収入で不労所得を得たい・・・皆、そんな夢を描いて収益不動産を購入するのですが、誰もが成功しているわけではありません。 そもそも、全国の…

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