サラリーマンが収入アップを実現する方法の1つに「出世する」というものがありますが、生涯平社員とエリート社員の間には、生涯賃金にして「家一棟分」もの差がつくというのが平均的な姿といえそうです。ところが、たとえば同じ「部長」の席に登り詰めたとしても、高卒・大卒では待遇に大きな差が。あくまで平均値を見る限り入社前の時点で勝敗が決まっているというのが、この国の現実なのかもしれません。詳しくみていきましょう。
高卒の52歳・部長、「出世街道」駆け上がった末の“年収750万円”…大卒エリートとの〈給与格差〉に意気消沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

高卒・大卒で明確な給与差…「大学は出ておいたほうがいい」が現実か

上にみた役職以上のステップアップを図るとなると、次は「経営陣」ですから、サラリーマンとしてのいったんのゴールは部長ということになるでしょうか。

 

この部長職について、学歴ごとの給与差をみてみると、男性・高卒の部長の月収は49万3,100円、年収で751万9,000円であるのに対し、大卒であれば月収63万5,000円、年収で1,000万8,000円、高卒部長と大卒部長の間には、年収で250万円ほどの給与差が生じています。

 

昨今では「学歴は関係ない」というような風潮が強まっているものの、「給与」に着目してみると、日本社会ではまだまだ学歴による差が明確に存在しているようです。

 

そしてこの差、定年退職を迎えて年金支給が始まる65歳以降の生活にも影響を及ぼします。

 

現時点では、20~60歳の40年間に未納期間がなければ国民年金の老齢基礎年金を年間77万7,792円受け取れることになっています。会社員として勤めてきた人であればこの老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金を受け取れるわけですが、これを構成する「報酬比例部分」の計算に、現役時代の給与差が影響を及ぼすことになるのです。

 

この「報酬比例部分」は、2003年3月以前は①「平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月以前の加入月数」、2003年4月以降は②「平均標準報酬額(標準報酬月額+標準賞与額)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」によって計算します。つまり、高い給与で長期間働けば、それだけ受け取れる年金額が増えるということです。

 

同じ「部長」であっても、高卒者と大卒者の間には年収にして250万円もの差がついています。それ以前の「課長」「係長」時代にも平均でそれぞれ50万円ほどの差が生じており、やはり学歴による給与差は明白です。

 

10代のうちから社会に出て、腕一本でバリバリと出世街道を駆け上がり、部長の座を手繰り寄せた高卒サラリーマン。現役時代は大卒サラリーマンよりも給与が少なく、それに伴って、4年分も多く保険料を納めているにも関わらず将来受け取れる年金は少ないという現実を前にすれば、思わず「意気消沈」となってしまうかもしれません。

 

もちろん、大学を出ていなくとも、起業に成功するなどして大きな報酬を得ている人は珍しくありません。それに、仮に大学を卒業したとしても賃金の良い職に就くことができず、「30代後半まで続く奨学金を返せない」と苦しんでいる人は多く、数百万円の借金を背負ってまで大学に行くことが必ずしも正解とは言い切れないでしょう。

 

とはいえ、平均値をみる限りは、学歴が高いほど収入が多いというのが現実です。親族から莫大な財産を引き継いだとか、抜きん出たビジネスのセンスがあるなどという特殊な条件を満たしていない限り、日本でサラリーマンになるのであれば、まだまだ「大学は出ておいたほうがいい」というのが事実なのかもしれません。