賃貸暮らしの会社員家族…家賃と同等の負担で分譲戸建て購入
人生における最大の買い物といえば、「マイホーム」です。
総務省が5年に1度実施する『住宅・土地統計調査』によると、最新の2018年調査で日本の持ち家率は61.2%。相続などで実家を引き継いだという人もいるでしょうから、持ち家に暮らす人のすべてが自力で購入した訳ではありませんが、「過半数が持ち家暮らし」というのが実情です。
持ち家に入居する前は賃貸暮らしだったというケースが多いようですが、持ち家と賃貸では、暮らしにかかるお金にどれほどの違いがあるのでしょうか。
国土交通省『令和3年住宅市場動向調査』によると、賃貸住宅入居世帯の平均世帯年収は499万円で、家賃負担は月7万8,069円。4,836円の共益費を合わせ、住居費は月8万円強というのが平均値です。ただ地域によって家賃は大きく変わり、首都圏に限ると28.5%、およそ3世帯に1世帯が月10万円以上の家賃を支払っているといいます。
一方、分譲戸建住宅の購入者(一次取得者)についてみていくと、平均世帯年収は750万円。購入するのは平均4,074万円の物件で、住宅ローンによる借り入れは平均3,205万円、返済期間は平均32.7年。平均返済額は年間126万円、月に均すと10万円程度ですから、全国平均の家賃+2万円程度、首都圏であれば家賃と同等の負担でマイホームを実現しているというのが、平均的な姿といえそうです。
戸建て住宅購入世帯の平均世帯年収が750万円であることを考えれば、月10万円ほどの返済は許容範囲といえるでしょう。
年収750万円というと、平均的なボーナスを手にしている場合なら月収は50万円。男性会社員の給与の分布をみていくと、月収50万円を超えるのは男性サラリーマン(正社員)全体の上位13%ほど。大卒会社員に限定しても、上位20%程度の水準ですから、片働き世帯が分譲戸建てを購入するのは少々ハードルが高いのかもしれません。