いくら景気が悪くても、食べ物に困るほど大変なことなんて……この日本では「貧困問題」といわれてピンとくる人は少ないでしょう。しかし、明日、生きることさえ大変、という人たちは珍しくはありません。特に母と子という母子世帯は、貧困状態に陥るケースが多いといいます。みていきましょう。
もう、食べ物を買うお金も…年収100万円以下「生活保護」の母子世帯、厳しすぎる現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

全国の6万人の母子世帯は、年収100万円以下という衝撃

しかし、これはあくまでも「平均値で考えたら」の話。「離婚による母子世帯」による収入の分布をみていくと、仕事での収入が100万円に満たない世帯が17.7%。ほかの収入を合わせても100万円に満たない世帯は6.7%います。

 

【離婚による母子世帯における就労収入の分布】

100万円未満:17.7%

100万~200万円未満:27.7%

200万~300万円未満:24.8%

300万~400万円未満:14.4%

400万円以上:15.3%

 

【離婚による母子世帯における世帯収入の分布】

100万円未満:6.7%

100万~200万円未満:14.1%

200万~300万円未満:25.2%

300万~400万円未満:20.5%

400万円以上:33.6%

 

出所:厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』より

 

これを数にすると、「6.3万の離婚による母子世帯は年間収入100万円未満」という、大きく貧困線を割っている状態で生きている、ということになります。

 

通常、離婚に際し、元夫とは養育費を取り決めているものですが、実際は54.2%が「養育費の取り決めを行っていない」といいます。その理由として最も多く挙げられたのか「相手と関わり たくない」で50.8%。相手と関わることで身の危険を感じるケースもあり、完全に関係を断ち切ることが解決策であれば、養育費を払ってもらうことは難しいでしょう。ほか「相手に支払う意思がないと思った」40.5%、「相手に支払う 能力がないと思った」33.8%。元夫の状況を鑑みても養育費を請求するのは無駄ということでしょうか。

 

*複数回答

 

理由はなんであれ、過半数が養育費を受け取っていないというのが実情。世帯年収100万円以下だとすると、月の生活費は月8.3万円以下。それで母が生きていくことはもちろん、子どもまで育てる……その苦労は想像を絶するものがあります。