いくら景気が悪くても、食べ物に困るほど大変なことなんて……この日本では「貧困問題」といわれてピンとくる人は少ないでしょう。しかし、明日、生きることさえ大変、という人たちは珍しくはありません。特に母と子という母子世帯は、貧困状態に陥るケースが多いといいます。みていきましょう。
もう、食べ物を買うお金も…年収100万円以下「生活保護」の母子世帯、厳しすぎる現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京23区在中・年収100万円・小学生の子をもつ母子世帯…生活保護費はいくら?

ごめんなさい、食べ物を買うお金もないわ……

どうしよう、子どもの給食費が払えない……

子どもが中学校に進学するのに、制服代が高すぎて……

 

そんな母子世帯の窮状は、さまざまなところで目にします。

 

ひとり親世帯への経済的支援策はいろいろとありますが、たとえば「児童扶養手当」。全額支給の所得基準は、子どもひとりの場合で年間就労収入160万円程度。手当額は全額支給で子ども1人目4万3,047円、2人目で1万0,170円、3人目以降は1人につき6,100円。

 

このような制度を利用してもなお生活が苦しい場合は、生活保護を受けることも可能です。たとえば東京都23区に住む、小学生の子ども1人、40代の母1人の母子世帯だったとしたら、生活保護費は家賃にあたる住宅扶助金額や児童養育加算分を含めて19万6,160円。実際は収入との差額を受けることができ、年収100万円で児童扶養手当も受けているとすると、月6万~7万円ほどの生活保護を受けられる計算です。

 

ただ母子世帯への支援は色々とあるものの、十分に行き渡っているかといえばそうではありません。貧困世帯は社会から孤立しやすく、本来受けられる支援も受けていないケースも珍しくないといいます。まずは私たちが関心を寄せることが、貧困に苦しむ母子世帯を支援する一歩になるかもしれません。