昼休みにトイレへ行くふり→本当は「水道水をがぶ飲み、空腹をしのぐ」…「貧しさ」を隠して生きる、本当の貧困の実態

昼休みにトイレへ行くふり→本当は「水道水をがぶ飲み、空腹をしのぐ」…「貧しさ」を隠して生きる、本当の貧困の実態
(※写真はイメージです/PIXTA)

貧しいかどうかは「見た目」で判断することができません。貧しい人は貧しさを恥ずかしいと考えて、できるだけ隠そうとするのです。本記事では、石井光太氏の著書『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』(文藝春秋)より、同氏が17歳の若者にもわかりやすく、日本の貧困の実態について語りかけます。

外見で判断できない貧困の恐怖

また、貧困が一般的なイメージとは反対の形をとるために、なかなかそれに気がつかないということもあるだろう。一般的に、貧しい人はやせているというイメージがあるよね。そして、お金持ちの人は太っていると思われがちだ。でも、実際は真逆なんだ。

 

次は日本における年収別の肥満率だ(図表1参照)。

 

[図表1]所得と生活習慣等に関する状況(20歳以上)

 

年収600万円以上
男性 30.7パーセント
女性 13.2パーセント

 

年収200万円未満
男性 31.5パーセント
女性 25.6パーセント

 

ここから、男女ともに貧しい人の方が肥満率が高いことがわかるはずだ。貧しい人が太っていて、豊かな人がスマートだというのは、どういうことだろう。

 

「太っている=裕福」は簡単に人を傷つける

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貧困の最前線
 

 

富裕層は、家できちんと栄養価を考えた料理が出され、それを決まった時間にとることが多い。生活習慣にも厳しく、お菓子やインスタント食品を食べさせないということもめずらしくない。健康に気をつかって運動も適度にしている。

 

一方、貧しい家の人は、ハンバーガー、コンビニのチキン、カップラーメンといった安価なジャンクフードでお腹をふくらませようとする。子供だったら部活や習い事をせずに帰り、親がいないので、お菓子ばかり好き勝手に食べる。あるいは、夜遅くまで起きていて夜食を食べる。こうした食生活はカロリーが高い上に栄養バランスも悪いので肥満を招くことになる。

 

こうしてみると、外見からその人が貧困であることを察するのが意外に難しいことがわかるよね。それなのに、太っているからお金持ちだろうと考えて気軽に「おごってよ!」と頼んだり、「お菓子ばかり食べれていいなー」なんて言ったりすれば、相手を傷つけてしまうことになりかねない。

 

僕たちは常に、外見からだけではその人の貧しさに気づけない、と理解した上で、いろんなことに気を配って生きていく必要があるんだ。

 

 

石井光太

作家

 

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※本連載は、石井光太氏の著書『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』(文藝春秋)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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