夏休みが終わり、学校には子どもたちの元気な声が戻ってきました、一方で浮かない顔をしている教師たちも。厳しさ増す、教育現場についてみていきましょう。
月収41万円・40代の中学校教師〈休み明けの憂鬱〉にポツリ「もう、学校には行きたくない。」

教師が大変だ!緊急提言も現場からは冷ややかな声

教員の働き方をめぐっては、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会が『教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策』を提言しました。

 

このなかで、子どもたちが抱える困難が多様化・複雑化、学校や教師に対する期待の高まりなどから業務が積み上がり、「わが国の未来を左右しかねない危機的状況にあると言っても過言ではない」と指摘。業務の適正化、授業時数の点検、勤務間インターバルの検討、支援スタッフの充実などについて言及しています。

 

具体的には、「登下校対応」や「校内清掃」「休み時間の対応」など14の業務について、教員以外への分担や負担軽減を進め、年間の授業時数が国の標準を大幅に上回る学校は来年度から見直すこと、学校行事は重点を置くものを選び準備も簡素化するとしています。

 

また授業や事務作業をサポートする「教員業務支援員」の全小中学校への配置、教員の負担軽減となる小学校高学年での「教科担任制」実施の前倒し、保護者からの過剰な苦情などに教育委員会が対応するなど、対応策が挙げられています。

 

しかし、この提言を受けて、専門家や現場からは「教員の仕事は多岐に渡り、全体量も多い。さらに教育内容も増えている。この提言程度では焼け石に水」などと冷ややかな声が目立ちます。

 

今後、制度改正も含めて、さらに議論を進めるとしていますが、しっかりと現場の声を反映したものになるのか、また遅々として進まない教育現場の働き方改革を加速させるものになるのか、引き続き、注視していく必要がありそうです。