資産運用…「元本割れの経験者」37.9%
金融広報中央委員会『令和4年家計の金融行動に関する世論調査』によると、金融資産の保有率は73.1%。7割超の人が、将来を見据えてかは別として、資産運用をしています。金融資産保有世帯の保有額の平均値は1,593万円、中央値は629万円でした。
金融商品の種類別に保有額をみていくと、もっとも多いのが「預貯金」で689万円(うち定期性預貯金が349万円)でした。次いで、「株式」(320万円)、「生命保険」(179万円)、「投資信託」(147万円)、「個人年金保険」(97万円)と続きます。
【種類別金融商品保有額(金融資産保有世帯)】
- 将来を見据えての預貯金:689万円
- 株式:320万円
- 生命保険:179 万円
- 投資信託:147 万円
- 個人年金保険:97 万円
- 債券:63 万円
- 損害保険:23 万円
- 財形貯蓄:32 万円
- 金銭信託:18万円
- その他記入商品商品:24 万円
出所:金融広報中央委員会『令和4年家計の金融行動に関する世論調査』より
※各商品の平均値であり、その合計値は金融資産平均保有額と一致しない
一般社団法人 投資信託協会の『投資信託に関するアンケート調査』で、50代以上のプレシニア・シニア層の資産運用についてみてみると、金融資産のうち、預貯金が占める割合はおよそ7割。「これまで投資を行ったことがない」という人の割合は44.2%に上ります。
一方、「現在投資を行っている」と答えた人も41.1%とほぼ拮抗しており、保有商品の上位には、「債券」(18.9%)、「投資信託」(18.7%)、「株式」(18.6%)、「外貨預金」(18.8%)などが並びました。また、投資を行う理由としては、「年金では生活費が不足するため」(51.2%)、「余裕資金を作っておくため」(44.4%)、「預貯金の利率が低いため」(36.5%)など、老後資金への不安によるものが目立ちます。
運用の成果について「想定以上の大きな利益を得たことがある」人は19.9%だったのに対し、「想定以上の大きな損失が出たことがある」と回答した人は39.0%に上りました。そして、前述の金融広報中央委員会の調べによると、約8%の人が大きな損失を被ったのは「金融機関のせい」だと考えているようです。
【元本割れの経験の受け止め方】
- 自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない:73.8%
- 自分が元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない:17.7%
- 相場の変動によって元本割れするリスクを金融機関が十分に説明しなかったためだ:4.5%
- 著しい誤解を招く広告、勧誘を金融機関から受けたためだ:4.1%