夏休みが終わり、学校には子どもたちの元気な声が戻ってきました、一方で浮かない顔をしている教師たちも。厳しさ増す、教育現場についてみていきましょう。
月収41万円・40代の中学校教師〈休み明けの憂鬱〉にポツリ「もう、学校には行きたくない。」

夏休み明け…憂鬱な気分の教師たち

最近は8月の後半に始まる地域も多いようですが、夏休みも終わり、学校が再開。ほっとひと息ついている親も多いのではないでしょうか。

 

一方で、深いため息を漏らすのは、40代の中学校教師。

 

――生徒たちの登校が始まってしまった

 

学校の再開を受けて、しんどくなる子どもたちに向けての多くのメッセージが見られましたが、教師の中にもしんどくなり、登校できない……というケースも珍しくないといいます。

 

――夏休みは研修ばかり

――毎日のように部活動があって休んだ気がしない

――もう、学校行きたくない

 

まさかの教員の登校拒否……長期休みでは教師も休みと思われがちですが、想像以上に多忙だといいます。それでも子どもたちがいないだけラク。だからこそ休みが明けてしまうことに、ため息が出てしまうといいます。

 

文部科学省『2021年度(令和3年度)公立学校教職員の人事行政状況調査』によると、精神疾患による病気休職者は、前年度比694人増の5,897人で、過去最多を記録しました。これは全教育職員数の0.64%にあたります。また男女別では、男性2,406人、女性3,491人。年代別では、20代1,164人、30代1,617人、40代1,478人、50代以上1,638人。学校の種別でみると、小学校で2,937人、中学校1,415人。在職者に占める割合は、それぞれ0.71%、0.61%となっています。

 

また文部科学省『教員勤務実態調査(令和4年度)』の速報値では、残業月45時間を超えるとみられる教員は中学校で77.1%、小学校で64.5%、「過労死ライン」とされる月80時間に相当する可能性がある教員が中学校で36.6%、小学校で14.2%と、改善の方向にあるとはいえ、教員の長時間労働は依然として大きな課題であることがわかりました。

 

それでいて公立学校の教員には、給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)という、50年前にできた法律によって残業代は出ないことになっています。その代わり、教職調整額という名目で月給の4%が加算されているのです。

 

総務省『令和4年地方公務員給与実態調査』によると、小学校・中学校教員の平均月収は35万5,362円、諸手当を入れると41万4,820円です。一方で、全労働者の平均月収は31万1,800円(諸手当込み34万0,100円)。正社員に限ると、32万8,000円(諸手当込み35万8,500円)。さらに大卒に限ると37万1,400円(諸手当込み40万0,700円)。会社員の平均給与と比べるとやや多く、一見すると恵まれた待遇です。

 

しかし世間からは「定額働かせ放題」と揶揄され、いまや教員はなりたくない職業の常連に。なりて不足は深刻化。新学期には教員が足りず「担任が決まらない!」という異常事態がもはや常態化しています。