東京23区では平均1億円超となった新築マンション。平均的な稼ぎのサラリーマンが新築物件を手に入れるハードルはここ数年でグッと上がっています。そこで、マイホームの選択肢として「中古マンション」を挙げるケースもあるでしょう。しかし、物件の額面価格やローン返済金額のみで判断するのは危険かもしれません。詳しくみていきましょう。
貯蓄ゼロだが「いますぐ」マイホームが欲しい30歳・会社員…〈中古マンション〉購入時に必ずチェックすべきポイントとは? (※写真はイメージです/PIXTA)

30歳・会社員が平均的な新築マンションを「無理なく」購入するには?

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』で分譲マンションの世帯主(一次取得者)の平均年齢をみてみると、39.9歳。同じ調査で購入資金の項目をみてみると、分譲マンション購入資金5,048万円のうち、自己資金比率は28.5%。1,400万円ほどの頭金を調達してから、平均29.7年のローンを組んでマイホームを実現する、というのが平均的な姿といえそうです。

 

ただ、上記の平均的な購入計画では、ローンを返し終えるのは70歳手前。現役を引退し、年金生活に突入してからも、返済が続くことになり、少々不安が残ります。それでは、平均的な30年ローンを現役時代に返済し終えるために30歳でマンションを購入しようとした場合、返済プランはどうなるのでしょうか。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』をみてみると、大卒・男性の場合、30代前半の平均月収は31万9,300円。残業代やボーナスも含めた年収は538万1,200円です。

 

住宅ローンの適正な返済負担率は20~25%とされていますので、上記の平均的なサラリーマンが毎月無理なく返していける金額は、8万9,000円~11万2,000円程度ということになります。上に平均的な購入資金として挙げた5,000万円のマンションを購入する場合、元利均等・金利0.5%の30年ローンなら、1,200万円ほどの頭金を入れ、借入金額を3,800万円ほどに収める必要があるという計算になります。

 

総務省統計局『家計調査 貯蓄・負債編』によると、年代ごとの平均貯蓄額は、~29歳で438万円、30~39歳で858万円ですから、5,000万円の物件を無理のない返済プランで購入するには、平均の1.5~3倍近い貯蓄が必要ということになります。