沐浴の準備&手順
沐浴の準備
事前に部屋の温度を暖かくしておきましょう。沐浴のあと、裸で濡れた状態で長くいるとどんどん体温が下がってしまいます。また赤ちゃんは裸でいると不安を感じやすいので、広げた赤ちゃんの服の上にひし形のバスタオルを置いておくと、すぐに体を拭いて服を着せてあげられます。服は夏場だと1枚ですが、それ以外の季節であれば、肌着と服を二枚重ねにしておくとすぐに袖が通せます。
沐浴
沐浴の手順に決まりはなく、赤ちゃんがきれいになったらそれでOKです。やりやすい順番で洗ってあげてください。
ここでは、病院で助産師が指導するときの手順をご紹介します。流れとしては、汚れの少ない場所から汚れの多い場所の順に洗うイメージです。
①顔
一番きれいな顔から洗います。石けんの泡をつけて、おでこから鼻、あごを数字の3を描くように洗います。ごしごししなくても大丈夫。ガーゼを使う場合は、汚れを広げてしまわないように、都度洗うか拭く面を変えるなどしましょう。目やにを拭く場合は、目やにがない側からある方へ拭いてあげます。
顔の泡はシャワーで流してかまいません。声掛けをしてから、頭を起こして、うしろから前へ流します。最初はびっくりしても、たいていはだんだん慣れていきます。
②頭
頭は面積が広いので、濡れたままだとどんどん体温が下がってしまいます。泡で洗って流したあとは、先にガーゼで軽くふいてあげましょう。
③首
首のしわにはよく汚れがたまっているので、Vの字を描くように洗います。首から下は、お湯の中に使ったまま洗ってかまいません。
④手
赤ちゃんが手を握っているときは、小指の隙間からママの指を入れてあげると開いてくれるので、手のひらや指を洗います。腕は軽く握って、下から上に向ってくるくると手を動かし、わきのあたりまで洗います。
⑤胸・お腹
胸は円を描くように洗います。おへそを触るのは怖いという人が多いですが、きれいにしないとばい菌が入ってしまうので、しっかりへその緒の根元や、へその緒が取れている場合はおへその中を洗ってあげましょう。
⑥足
足もお湯の中で軽く握ってくるくると洗います。
⑦背中
赤ちゃんの背中が上になるようにひっくり返すのが心配であれば、お湯につかったまま洗ってもOKです。ただ背中は湿疹が出やすいので、可能であればひっくり返して、目で確認しながら洗ってあげましょう。
⑧お尻・おまた
最後にお尻、おまたを洗ってうんちがついていればきれいにしてあげます。とくに女の子はひだのあいだにうんちがたまることがあるので、洗い流してあげましょう。黄色や茶色いものはうんちですが、白いものは「胎脂」と呼ばれる赤ちゃんの保湿剤のようなものなので、無理にとらなくても大丈夫です。
沐浴は赤ちゃんの体力を消耗するので、5分くらいで洗ってしまいましょう。洗い終わったら、あらかじめ広げておいたバスタオルの上に置いてまず体全体をくるんであげます。くるんだら、頭から順にもう1回しっかり拭いてあげましょう。
沐浴の注意点&ポイント
・汚れを広げないように気をつける
・お湯の温度は38度から40度くらい
・先に自分の手に当てて確認してから、優しい水圧でシャワーをかける
・お風呂場で沐浴:着替える場所までの距離や、脱衣所の気温などに気をつける
・沐浴する高さがママパパのやりやすい高さなのかもチェック
・キッチンで沐浴する場合:上から落ちて来るものがないか確認
・ひっくり返して背中を洗う場合、赤ちゃんの顔がお湯につかってしまわないよう注意
・赤ちゃんは裸や、体がどこかに触れていない状態だと不安になるので、暴れてしまったときは、足をベビーバスの内壁のどこかに当ててあげると安心できる
・室温は大人が温かいと感じるくらいがよい
出産前にイメトレしておこう
沐浴はどこでやって着替えはどこにしようかというふうに、出産前にイメージをして準備しておくことはとても大切です。ぜひイメージトレーニングをしておいてください。
また、沐浴ひとつをとっても、シャワー浴などいろいろな方法がありますし、毎日沐浴しなければならないわけでもありません。沐浴に限らず育児のやり方は一つではなく、いろいろな考えがあっていいものです。ひとつの考え方に縛られずに、ママ、パパがどうしていきたいのかよく考えて、安全に心地よく育児ができたらいいなと思います。
【お話を伺ったのは】
助産師ありさ/助産師
助産師として、5000人以上のママと赤ちゃんに関わる。幸せに子育てをしてほしいという思いから、ママが安心して出産・育児ができるよう、SNSで出産育児の情報を発信。ママたちが安心できる居場所「ママにこサロン」を運営中。