(※写真はイメージです/PIXTA)

遠方に暮らし実家にはほとんど帰らない姉と、実家に住み、献身的に親の介護を行っていた妹……。このように、きょうだい間でお互いの環境が大きく異なる場合、親が亡くなった際「泥沼の相続争い」に発展するケースが多いと、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。今回は、姉妹間で相続争いが起きる「5つの原因」と、トラブルを避ける「3つの対策」についてみていきましょう。

姉妹間で相続争いが起きる「5つの原因」

筆者も実務上、「姉妹間で相続争いに発展するケース」をよく聞きます。相続争いが起きる原因としては、下記の5つが挙げられます。

 

■お互いの住んでいる環境などが大きく異なる

■姉妹のどちらか一方が生前贈与を受けていた

■寄与分について折り合いがつかない

■相続財産が「不動産だけ」など、分割しづらい

■姉妹のうち一方の「使い込み」が疑われる

 

このうち、「お互いの住んでいる環境などが大きく異なる」と「寄与分について折り合いがつかない」について詳しくみていきます。

 

■お互いの住んでいる環境などが大きく異なる

もっとも多いのは、「妹は実家に住んで両親の面倒を見ていたが、姉は海外など遠方に住んでいて、親とはほとんど関わりがない」といったように、「お互いの環境が大きく異なる」ケースです。

 

たしかに、上記のような事情があった場合には、面倒をみていた人は面倒をみていない他の相続人よりも多く財産を相続したいと考えるのが一般的ですよね。

 

ただし、遺言書がない場合、法律上は平等に分け合うことと明記されています。

 

つまり、たとえば海外在住で親のお世話をまったくしてこなかった姉が、亡くなった父の葬儀で「遺産は私にもちょうだいね」と言っても、遺言書がなければまかり通ってしまいます。面倒をみていた妹は唖然……到底納得いかないでしょう。しかし、このような“真に平等”といえない相続は実際に頻発しており、ほとんどの場合トラブルに発展しています。

 

■寄与分について折り合いがつかない

また、上記のように「一方が親の面倒をみていたが、一方はみていない」といった事情を遺産分割に反映させるための方法を「寄与分」といいますが、この寄与分について折り合いがつかず、相続トラブルが長期化するケースがあります。

 

たとえば、妹は「親の面倒を見ていたので寄与分がこれだけ欲しい」と主張しても、姉は「法律上はこのぐらいのはずだから、寄与分はこの程度が妥当なんじゃないか」などと、妹が提示した額よりも低い額を主張する、というようなケースです。

 

※ 寄与分……被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる制度。

 

この他にも、「相続財産が実家のみ」など、財産が分割しづらい場合もトラブルになりやすいですし、姉妹のうち一方に財産の使い込みが疑われるケースなど、姉妹間の相続争いの原因はさまざまです。

 

では、こういったトラブルを避けるためにはどのような対策が考えられるでしょうか。

 

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