(※写真はイメージです/PIXTA)

遠方に暮らし実家にはほとんど帰らない姉と、実家に住み、献身的に親の介護を行っていた妹……。このように、きょうだい間でお互いの環境が大きく異なる場合、親が亡くなった際「泥沼の相続争い」に発展するケースが多いと、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。今回は、姉妹間で相続争いが起きる「5つの原因」と、トラブルを避ける「3つの対策」についてみていきましょう。

「遺言書」は、トラブルを避ける“最大の対策”

姉妹間の相続争いを避けるための対策は、大きく分けて3つあります。

 

1.遺言書の作成
2.平等な生前贈与
3.生命保険金の活用

 

1.遺言書の作成

「遺言書」は、相続争いを避けるための最大の対策といえます。遺言書がある相続というのは原則遺言書の記載どおりに遺産分割を進めていかなければなりませんから、たとえ法律上平等でなくても亡くなった方の意向として納得できるケースも多いです。

 

2.平等な生前贈与

2つ目はやはり、「不平等がないような生前贈与を行うこと」です。たとえば、親(被相続人)が「面倒をみてくれた妹のほうに多く遺産を相続させる」という遺言書をのこしたり、妹に姉より多く生前贈与を行うのは構いませんが、著しく偏った内容にならないようにすることが重要です。

 

特定の者に贈与を行う場合は、事前に相続人や家族全員で相談し、理解を得たうえで行えば、のちにトラブルになる可能性を限りなく低くすることができます。

 

3.生命保険金の活用

実家などの不動産以外に大きな遺産がない場合は、「実家を相続する者」を受取人とした「生命保険契約」を結んでおけば、相続時にこの生命保険金を資金として他の姉妹へ代償金を支払い、平等な相続を実現することが可能です。

 

この方法をとれば、実家は売却することなくそのまま住み続けることができるなどさまざまなメリットがありますので、これらを活用してバランスのとれた相続ができるようにしておきましょう。

 

まとめ

兄弟姉妹間の相続争いの原因はさまざまありますが、「法律に従って平等な相続を行う」ということは決してトラブル解決策にはなりませんし、むしろ不平等になることも多くあります。

 

家庭の事情に合わせて、真に平等な相続ができるように(=トラブルが起きないように)生前対策を行うことが重要です。

 

<<<【司法書士が解説】姉妹間の相続争い〜事例と対処法を司法書士が解説〜>>>

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所

代表司法書士

 

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