子どもの習い事として常にトップに挙げられる水泳・スイミング。スポーツクラブなどでも場所によってはキャンセル待ちが出るほどの人気だそうです。そこで今回はアテネオリンピックに出場し、現在も多くの方に向けて水泳指導を行なっている森隆弘さんにインタビュー。スイミングを習うメリットや実際のレッスン内容についてお話を伺いました。
水泳は何歳から始める?スイミングを習うメリットとスクール選びのコツ【水泳オリンピック選手の解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

 

〈注意点〉小さすぎるとプール嫌いになってしまうことも

我が家の例ですが、子どもが2歳のときにスイミングスクールに連れて行ったら、とても怖がってしばらくプール嫌いになってしまいました。子どもによってはこのようなケースもあります。明らかに拒否反応を起こしている場合は、無理して入らずに様子を見てもいいと思います。お風呂で顔をつける遊びをしながら水に慣れるところから始めてみてください。

 

スイミングスクールの選び方は?

スイミングスクールを大きく分けると、スイミング専用のスクール、スポーツクラブ併設のスイミングスクール、公営のプールなどを使ってレッスンを行うスクールの3種類になります。

 

将来的な選手育成に力を入れているスクールもありますが、実際はほとんどが同じカリキュラムを使っていますので、レッスン内容にそこまで大きな差はありません。もちろんコーチの力量や子どもとの相性によって変わってくる部分もありますが、どのコーチにつけるかは始まるまでは分かりません。ですから私のおすすめは、できるだけ家に近いところ。その方が子どもの負担も少ないと思います。

 

■月謝はどのくらい?

月謝は平均すると、週に1回のレッスンで6,500円から7,000円くらい。それ以外の費用としては、スクールによって初回に登録料がかかったり、指定の水着やキャップなどの購入費があります。

 

■送迎はどうする?

スイミングスクール選びの決め手として、送迎の有無は大きなポイントになっています。多くのスクールが送迎バスを出していますが、その場合は月謝が若干上がります。送迎がないスクールの場合は、親御さんに送り迎えを行っていただきます。

 

年齢別クラスのレッスン内容

スクールによって年齢の基準やレベルに多少のばつきはありますが、一例としてクラスごとの大まかなレッスン内容をご紹介します。

 

■ベビークラスは水慣れから

0歳から2歳くらいまでの場合は、親御さんも水着になって入っていただき、水に慣れる練習が中心になります。プールに入る前の水の掛け方や、入るときの抱っこの仕方など、親御さんに向けての指導も多くなります。スイミングスクールだけではなく、ご家族でどこかへ遊びに行ったときにも水を怖がらないことを目指します。

 

■幼児クラスは水中遊び

2、3歳くらいになって水への抵抗がない場合は、ちょっと潜ってみたり、水中の輪っかをくぐってボールを取るなどの遊びを行います。スクールによっては親御さんも一緒にプールに入っていただきます。

 

■キッズクラスは進級に向けたレッスン

子どもたちだけでレッスンが受けられるようになると、進級基準のあるクラスに入ることになります。クラスの大まかな流れは、最初に準備運動をしてからコーチによる練習内容の説明、その後、30分から40分くらい泳ぐ練習をして、最後に5分くらい友達やコーチと自由に遊んで終了になります。

 

今の子どもたちにこそスイミングはおすすめ

長く続いたコロナ禍のマスク生活によって呼吸器系が弱っていたり、外で遊ぶ機会が減って運動能力が落ちている子も見かけられます。そのような子どもたちにとってもスイミングは本当におすすめです。

 

子どもが水を怖がって顔をつけることもできない、と心配されている親御さんも多いですが、そこは焦らずに。周りと比べることなく、見守ってあげてほしいと思います。

 

一番大事なのは、楽しんでできることです。嫌になってしまったら、どんなに頑張っても結果にはつながらないですからね。ぜひプールで健康的に体を動かしてみてください。

 

【今回話を伺ったのは】

森隆弘/水泳選手

1980年3月2日生まれ。生後4ヶ月よりプールへ。小学校3年生の時にソウルオリンピック100m背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地さんの姿を見て、オリンピック出場を本気で夢見始め、2004年念願のアテネオリンピックに出場。国内外の大会で優れた記録を残し、2008年に現役引退。その後「森隆弘塾」を開設し、水泳指導を行う傍ら、イベントや講演会なども行なっている