働き方改革関連法の適用で起こる「2024年問題」。物流業界を中心に騒がれていますが、タクシー業界でも大きな問題となっています。みていきましょう。
月収29万円・58歳〈タクシードライバー〉長時間労働も「あまりに低収入」の悲惨…さらに「2024問題」で収入減の悲劇 (写真はイメージです/PIXTA)

タクシードライバーの給与…コロナ禍から急回復も依然として低水準

7月の訪日外国人観光客数は230万人を超え、さらに中国人団体旅行が解禁になるなど、インバウンドに活気が戻ってきた今日この頃。それに伴い、最近、増えてきたこんな会話。

 

――タクシー、つかまらないなあ……

 

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会『TAXI TODAY in Japan 2023』によると、2021年、タクシーの総車両数は20万3,910台。前年から21.2%減少しました。コロナ禍で需要が減少し、それに伴い、営業車両も大きく減少しました。いまは急激なインバウンドの復活に追いついていない状況。配車アプリでも使わないと、一生、タクシーに乗れないのでは、と思ってしまうほどです。

 

一方で大きくバンザイをしているのが、タクシードライバー。大きく減少した収入もコロナ禍以前に戻りつつあります。タクシードライバー(法人)は全国に22万人ほどいて、平均年齢は58.3歳。そして2022年6月度の月間給与(残業手当等含む)は平均29万4,100円で、2021年に支払われた賞与等は8万4,100円。年収は361万3,300円と推計され、前年から28.9%の大幅増となりました。

 

そもそも、全産業平均と比べると見劣りのするタクシードライバーの給与。全労働者平均の6割程度の給与だったのが、コロナ禍には5割にまで低下し、あまりの給与減で「とてもじゃないけど、暮らしていけない!」と悲鳴をあげるドライバーも多くいたほど。給与も急回復したものの、全労働者平均の6割程度という水準は変わりません。

 

【全産業の平均年収とタクシードライバーの平均年収】

2018年:558.4万円/348.3万円(62%)

2019年:560.9万円/360.3万円(64%)

2020年:545.9万円/300.8万円(55%)

2021年:546.4万円/280.5万円(51%)

2022年:554.9万円/363.6万円(65%)

 

出所:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会『TAXI TODAY in Japan 2023』より

※数値左:全産業平均年収/タクシードライバーの平均年収(全産業平均年収を100とした場合のタクシードライバーの平均年収)