お金を4分割にしてリスクを分散して管理すべし
こうした分散投資を行う方針を決めておけば、激動する世界経済の中に身を置いていても、資産を守っていくことは可能でしょう。
例えば毎月1回、「自分の資産はどうなっているか」とパソコンでチェックしてみると、さほど酷い運用状況にはなっていないかもしれません。もちろん、たとえドル高が急速に進行していようとも、「自分は日本円しか使わないため外貨は扱わない」という方針であれば、それはそれで良いのです。
ただし、最初の50万円を日本円のまま銀行の普通預金に置いたところで金利収入はまったく期待できません。
タンス預金の場合は、盗難や火災リスクを被るかもしれません。
いずれにせよ、一つのカゴに入れておくだけではリスクが高い状況に変わりはないので、やはり最低でも4分割することを考えたいところです。災難に遭わないためのリスク管理の考え方の基本は、リスクを分散して、それぞれのカテゴリーに応じた管理を行うことに尽きます。
例えば、日本政府の要人や企業のトップ・マネジメントが揃って外遊する際は、2機ないし3機に分かれて飛行機に搭乗します。全員が同じ飛行機で移動して、もしも墜落するようなことがあれば組織のオペレーションが支障をきたし、多くの人々をリスクに晒す可能性があるためです。
これがリスク分散の典型例です。この発想は資産運用に関してもまったく同様で、分散する際の考え方をどうするか、という戦略の決め方に個人差や哲学が出るのです。