どうしたらインフレ下でも資産を減らすことなく、自分・家族を経済的に守り、持続可能で豊かな生活を確保できるか。その基本となる考え方を、経済評論家・政策アナリストの池田健三郎氏は著書『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)の中で伝授しています。考え方ひとつで資産は増やせるのだとか。そこで本連載では、その考え方を本書から一部抜粋して紹介します。

お金を4分割にしてリスクを分散して管理すべし

こうした分散投資を行う方針を決めておけば、激動する世界経済の中に身を置いていても、資産を守っていくことは可能でしょう。

 

例えば毎月1回、「自分の資産はどうなっているか」とパソコンでチェックしてみると、さほど酷い運用状況にはなっていないかもしれません。もちろん、たとえドル高が急速に進行していようとも、「自分は日本円しか使わないため外貨は扱わない」という方針であれば、それはそれで良いのです。

 

ただし、最初の50万円を日本円のまま銀行の普通預金に置いたところで金利収入はまったく期待できません。

 

タンス預金の場合は、盗難や火災リスクを被るかもしれません。

 

いずれにせよ、一つのカゴに入れておくだけではリスクが高い状況に変わりはないので、やはり最低でも4分割することを考えたいところです。災難に遭わないためのリスク管理の考え方の基本は、リスクを分散して、それぞれのカテゴリーに応じた管理を行うことに尽きます。

 

例えば、日本政府の要人や企業のトップ・マネジメントが揃って外遊する際は、2機ないし3機に分かれて飛行機に搭乗します。全員が同じ飛行機で移動して、もしも墜落するようなことがあれば組織のオペレーションが支障をきたし、多くの人々をリスクに晒す可能性があるためです。

 

これがリスク分散の典型例です。この発想は資産運用に関してもまったく同様で、分散する際の考え方をどうするか、という戦略の決め方に個人差や哲学が出るのです。

※本連載は、池田健三郎氏による著書『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得

「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得

池田健三郎

日東書院本社

日銀出身のアナリストが教える、これからのマネー戦略! デフレ時代の終焉――いま「動かないお金」を持つのはキケンです。 インフレ時代のお金の不安、解決します。 長らくデフレが続いていると思っていたら、いつの…

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