どうしたらインフレ下でも資産を減らすことなく、自分・家族を経済的に守り、持続可能で豊かな生活を確保できるのか。その基本となる考え方を、経済評論家・政策アナリストの池田健三郎氏は著書『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)の中で伝授しています。考え方ひとつで資産は増やせるのだとか。そこで本連載では、その考え方を本書から一部抜粋して紹介します。

資産運用は金利と投入資金の大きさがポイント

日々の生活にかかるお金は流動性の高い普通預金などに置いておくのが基本ですが、そこでは利息はまったく期待できません。さりとて、そうした生活必需原資を株のような元本割れするリスクが大きいもので運用することはおすすめできません。言うまでもありませんが、子どもの学校にかかる教育資金まで投資に回すようなことがあってはなりません。

 

こうしたことを踏まえ、単なるお小遣い稼ぎではなく、少しでも老後を不安なく過ごすために資産を安定的に、少しずつ増やしていくという観点に立つと、可能な限り資産動向をウォッチする手間暇をかけることなく、換言すればできる限り放ったらかしで「お金に働いてもらう」手法を選択することが重要となります。

 

実際のところ、一日中、パソコンやスマホを前にして値動きのチャートと睨にらめっこしなければならないのではほかのことができません。したがって、毎日株価や外国為替のチャートをウォッチし続けて一喜一憂する必要がなく、長期的な視点に立ってリスクの低い運用をしていくことが望ましいということです。

 

資金運用の手段を検討する際のポイントとなるのが、金利(利回り)と投入資金の大きさです。利回りの高いほうが、放っておいても利息が多くつくのは言うまでもないのですが、高金利になればなるほど、相応にリスクが高まる(当たり前ですがこれは重要な原則で、これに当てはまらない運用手段〈商品〉はかなり怪しいため絶対に手を出してはなりません)ので、注意が必要です。

次ページ元手が大きいほど資産を増やしてくれる

※本連載は、池田健三郎氏による著書『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得

「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得

池田健三郎

日東書院本社

日銀出身のアナリストが教える、これからのマネー戦略! デフレ時代の終焉――いま「動かないお金」を持つのはキケンです。 インフレ時代のお金の不安、解決します。 長らくデフレが続いていると思っていたら、いつの…

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