運用益非課税の投資が優先。「NISA」「iDeCo」を狙う
投資信託・ETF(上場投資信託)を含む株式、債券、金などの金融商品の運用益には20.315%の税金がかかります。
一部例外として、保険関連の商品で保有期間5年を超えるものは一時所得として総合課税の対象になります。
投資によりお金を増やすことに成功しても、その運用益には約20%の税金がかかるということは知っておく必要があります。
ただし、例外として、NISAとiDeCoの運用益は非課税です。
NISAは少額非課税制度と呼ばれるもので、株式や投資信託などの金融商品への投資を推奨するために作られた制度です。
2022年12月に公表した「令和5年度税制改正大綱」により、2024年以降のNISA制度改正では非課税保有期間が無期限となり、保有限度額も1,800万円と大幅に増えました。
iDeCoとは公的年金を補完するための個人型確定拠出年金で、投資信託、定期預金、保険商品などで運用します。それらの運用益は非課税であるだけでなく、掛金も全額非課税で節税効果の大きいのが魅力です。
年金または一時金として受け取れますが、老後資金なので、60歳にならないと受け取れません。
いくつかの制約はありますが、運用益の約20%に税金がかかるというのはかなり大きな金額です。ですから、これらの非課税の商品を優先して長期で積立をすることが最終的には有利な投資につながります。
「投資額1,800万円まで非課税」のNISAをベースに積立投資を行う
NISAが2024年から改善、有効活用しないと損!
前節で非課税投資の手段として紹介したNISAが2024年から大幅に改善されて使いやすくなります。
主な改善点は以下の通りです。
1. 非課税保有期間が5年または20年だったのが無期限になる。
2. つみたてNISAと一般NISAは選択制だったのが、つみたて投資枠と成長投資枠に改称され、併用可能になる。
3. 年間投資枠が拡大され、両者で360万円になる。
4. 非課税保有限度額は総額で1,800万円となり、非課税限度枠の再利用ができるようになる。
今までのNISAは、細かい制約が多く使いにくいものでした。
それを使いやすくするとともに、非課税の枠を拡大、年間360万円、生涯1,800万円とすることにより、NISAをベースにして多額の長期積立投資をすることが可能になったのです。
NISAのもう一つのメリットは、18歳以上なら何歳からでも加入ができ、何歳からでも引き出すことができるということです。
今まで投資信託をやったことがなかった人が小額からの積立投資を始めたり、高齢の方が投資信託や株式による投資を行うには、ちょうどよい制度といえます。