「分散投資」が投資の基本
投資の基本は、「分散投資」です。分散投資とは、対象商品の価格変動のリスクを分散することです。
株式であれ、債券であれ、投資の対象となる金融資産は「時間」とともに価格が変動し、また「銘柄」によって値動きが異なります。
たとえば、売却期限を1年以内と決めて株を買った場合、その間に株価が上がればよいのですが、株価が下がれば損をして売らざるを得ません。これに対し、売却期限を10年以内として投資をすれば、その間の株価が上がったタイミングで売却すればよいことになり、買値より高い価格で売るチャンスは増えます。
また、ある大企業の株を買ったとします。大企業だから株価も順調に上がると思っていたら、予期せぬ出来事が起きて、倒産してしまうかもしれません。
そんなことが過去には実際に起きました。日本航空はリーマン・ショックとその後の需要急減の影響を受け、2010年1月に会社更生法を申請し経営破綻に追い込まれ、株価はゼロになりました。
もし投資先を1社に絞らず、全日空などを含む運輸・物流業全体の株式に連動する投資信託を買っていたら、株価がゼロになることはなかったでしょう。
あるいは、日経平均株価にリンクするインデックス・ファンドを買っていれば、そんな大きな被害は免れて、将来の株価回復を待つことができたはずです。
そのように価格が変動する商品に投資をする場合は、株価の偏った動き(リスク)を分散(緩和)する形で投資をしなければいけません。それを分散投資といいます。
分散投資の基本は主に次の3通りです。
【分散投資の基本】
1. 「時間のリスク」を分散する
2. 「銘柄・地域のリスク」を分散する
3. 「値動きのリスク」を分散する
分散投資をしたからといって儲かることが保証されるわけではありません。ただ、儲かるチャンスが増え、損をするリスクが減るということです。
特に長期投資で時間をかけることで株価が回復するチャンスを待つことができるのは非常に大きいといえます。
これから、それら一つ一つについて説明していきます。