最低賃金1,002円は悲劇の始まり…。〈無策な賃上げ〉で「弱体化する日本企業」が“続出する”と言えるワケ

最低賃金1,002円は悲劇の始まり…。〈無策な賃上げ〉で「弱体化する日本企業」が“続出する”と言えるワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

政府が、最低賃金の全国平均を時給換算で41円引き上げ、1,002円とする目安を定めました。過去最大の上げ幅で、ついに1,000円の大台に乗りました。大台に乗ったインパクトは、確実に今後の賃上げムードを加速させるでしょう。企業は、原価上昇や物価高による買い控え等、苦しい経営状況の中で賃上げをしなければなりません。経営者にとっては非常に頭の痛い問題です。それでも経営者には、賃上げをしなければならない切実な理由があるのです…。本記事では、自身も経営者である米澤晋也氏が、その理由と「単なる賃上げ」の先に何があるのか、解説します。

働きがいを高める5つの要件

動機が衛生要因に偏った人が「入社はゴール」と捉えるのに対し、働きがいを求める人は、「入社してからがスタート」と考えます。エンゲージメントが高く自律的なので、細かな指示命令、管理をしなくても行動します。仕事を任せることで、さらに働きがいが高まるという好循環が生まれます。

 

働きがいは創造性の源泉です。企業の付加価値を上げ、結果的に賃金など、待遇の向上を実現します。企業は今だからこそ、働きがいあふれる職場をつくるとともに、働きがいを求める人を集める採用活動を行うことが大切です。

 

そのためには、次の5つを整備する必要があります。

 

1.仕事の意義を確認する

2.適度な難易度の目標を持つ

3.自律性(自分たちで課題を見つけ、知恵を出し協働する)

4.行動したことによる変化、結果などのフィードバックが得られる仕組み

5.成長の見える化

 

私は23年間、新聞販売店を経営してきました。言うまでもなく衰退産業であり不人気業種です。何もしなければ良い人材は採用できません。

 

当社では、新聞配達という仕事の意義を再定義しました。新聞を配りながら、地域を見守る仕事と定義したのです。定義に基づき、配達チームで考えた結果、独居老人宅で前日の郵便物などが抜かれていない場合、安否確認をするサービスが誕生しました。実際に、命を救ったことも何度もあります。

 

こうした活動を積み重ねた結果、正月には、お客様から配達員に感謝の手紙とともにお年玉が届くようになりました。90歳のお客様からは、「目が悪く新聞は読めないが取り続ける」という嬉しいお声をいただきました。

 

働きがいが高まった結果、離職が減り、地域からの信頼が高まり、採用に困ることはなくなりました。何よりも、自分たちで決めて行動する愉しさを体験したことで、社員の主体性と組織の自律性が高まったことが財産だと感じています。

 

最低賃金の全国平均が1,000円台に乗ったことで、益々、防衛的な賃上げの機運が高まることが予測されます。防衛一辺倒では企業の稼ぐ力は高まらず、結果的に防衛ができなくなります。

 

働きがいあふれる組織をつくることが、人材確保の競争を生き抜くためにも、持続的な賃上げのためにも有効な手段なのです。

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