(※写真はイメージです/PIXTA)

相続で揉めるケースとしてよく挙がるのが、「相続人同士の不仲」です。相続人であれば、遺産分割協議には必ず参加する必要があるため、相続人同士の仲が悪いと協議がスムーズに進みません。そこで、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が、“不仲なきょうだい”が事前にできる相続対策を解説します。

相続人同士の仲が悪いと「遺産分割協議ができない」

司法書士である筆者もよく相談を受けるのですが、よくある“争族”のケースとして、「相続人(子ども)同士の仲が非常に悪く、相続手続きや遺産分割協議をスムーズに行えない」というものがあります。

 

大前提として、相続人同士の仲が悪いからといって、仲の悪い人を除いて遺産分割協議を行うことはできません。

 

遺産分割協議は、必ず相続人全員で行う必要があり、もし誰か1人でも参加せずに行われた場合、原則としてその遺産分割協議は無効になってしまいます。

 

そのため、相続人同士の仲が悪いとそもそも遺産分割協議の場を設けられないという問題が生じます

 

高額な相続税を納付しなければならない場合も…

遺産分割協議ができないとなると、相続税の申告にも影響があります。

 

故人の相続財産が相続税の基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要となりますが、たとえ相続税の申告期間内に遺産分割協議が完了していなかったとしても、相続税の申告期限の延長は基本的には認められません

 

そうなると、「遺産分割未了」の状態のまま申告しなければなりません。

 

遺産分割未了の状態で申告した場合、配偶者の税額軽減小規模宅地の特例といった軽減措置の適用を受けることができず、その分高額な相続税を納付しなければならない可能性があります

 

こういった事態を防ぐためには、いったいどうすればいいのでしょうか?

 

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