相続の相談はどのタイミングで行うべき?
相続の相談はやはりケースによってタイミングが異なります。こちらでは相続発生前に相談した方が良い場合、相続発生後に相談した方が良い場合に分けて解説しましょう。
相続発生前に相談した方が良い場合
相続発生前の相談としては、被相続人ならば相続税対策の相談や遺言書の作成が考えられます。
遺産総額が基本的に相続税の基礎控除「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えた場合、相続税が発生します。
現時点で所有している財産額では相続税が発生しそうか、発生しそうなら相続税対策をどのようにするべきか、前もって税理士にアドバイスを求めるべきでしょう。
また、当然ながら遺言は遺言者が生前のうちに作成しておかなければいけません。遺言書の作成指南は弁護士や行政書士が行ってくれます。なるべく早めに相談し、遺言者本人が納得できる遺言書を作成しましょう。
相続発生後に相談した方が良い場合
相続発生後、遺産を調査したら不動産が多くて相続登記に手間取るかもしれない、法定相続人の調査を行っておきたい、遺産分割で揉めそうだ、というときに相談してみましょう。相続登記の場合は司法書士に相談し、登記申請手続きを依頼できます。
また、法定相続人になるのは誰かわかっているつもりでも、被相続人に離婚歴があり、元配偶者との間に子供がいる場合もあるでしょう。この場合、子供には相続権があります。
それを知らずに元配偶者の子供抜きで遺産分割をして、その子供が相続権を主張した場合、遺産分割はやり直しとなります。行政書士は相続人調査も行えるので、行政書士に相談し、詳細な調査を依頼しましょう。
その他、相続人間で遺産分割で揉めそうだ、というときは弁護士と相談し、弁護士に調整役となってもらう方法が有効です。法律の専門家として理性的に調整案を提示し、トラブルを未然に防止できる可能性もあります。
相続の相談をする際に準備しておくべきこと
相談前に必ず準備する義務はないものの、準備しておいた方が、相談をスムーズに進められる書類等もあります。次のような書類の準備を可能な限り行っておきましょう。
・家族構成をまとめる:被相続人の配偶者、子供、孫、親、兄弟姉妹等、全ての法定相続人の氏名・住所を書き出して一覧表にしておいた方が、担当者は家族構成を把握しやすくなる
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等:被相続人の戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得、家族構成が明記されており、離婚歴等もわかるので相続人調査に使える
・遺産に関する書類:預金通帳の残高証明書、固定資産評価額がわかる証明書、借入金の残高証明書等、被相続人の財産・債務がわかる
なお、相談前に事務所へ電話等で問い合わせて、持参する書類を指定してもらっても構いません。
相続の相談で聞いておくべきこと
相談の内容としては、次のようなものが多いです。
・被相続人の離婚歴が知りたい、予想もしなかった相続人が現れるかもしれない
→行政書士(相続人調査)
・相続税がかかりそう、正確に遺産額を算定してみたい
→税理士(相続税の算定)
・ 相続人間で揉めそうなので心配
→弁護士(遺産分割調停・審判)
・ 知的障害で意思能力がないと判断された相続人がいる、遺産分割協議はどうなる?
→弁護士等(成年後見開始申立)
•・被相続人の不動産が多く登記申請に苦労しそうだ
→司法書士(相続登記申請)
それぞれのケースに応じ、最適な相談先にアドバイスを求めましょう。