消費税は広く公平に課税されるもの
消費税は、物を買ったりサービスを受けたりするときにかかる税金です。
私たちは店で商品を買うときに消費税を支払っていますが、税金を納めるのは事業者ですから、消費税は間接税になります。
消費税は広く公平に課税されます。たとえば、同じゲームソフトを購入する場合、子どもでも年収数億円を超すプロ野球選手でも、支払う消費税の金額は同じです。
消費税導入前にあった物品税って何?
日本ではじめて消費税が導入されたのは、平成元(1989)年4月1日です。平成という時代の幕開けとともに消費税がスタートしたわけです。
消費税の前身は物品税で、生活必需品以外のぜいたく品が課税の対象でした。サービスに対しては原則として課税されていませんでしたが、時代とともにサービス業の割合が高くなり、不公平さを訴える声が高まったことも物品税廃止の要因とされています。
安定した財源として計算できる
消費税は物品税に変わる税として導入されたわけですが、高齢化社会に対応する方策という目的もありました。
日本では、消費税導入前から人口の高齢化が進んでいて、将来の年金、医療、福祉のための財源確保が課題となっていました。
消費税は、買い物や旅行、医療費、電車やバスの交通費まで広く平等に課税されるものであるため、税を徴収する国からすると安定的な税金収入が見込めます。地方自治体にも分配されるので、地方の税収安定にもつながります。
ただ、私たちの身近な消費に税金が課せられることもあり、国民の関心(多くは消費税反対)は相当なものでした。「家計、とくに低所得者の負担が増える」という声も聞かれ、実際に景気は悪くなりました。
消費税の税率は、その後3%→5%→8%→10%(一部は8%)と変わってきています。税率アップなど、今後の展開を見守りたいところです。
消費税は税が累積しないように配慮されている
消費税の標準税率は10%で、その内訳は消費税率7.8%、地方消費税率2.2%です。生活に関連する物品などにかかる軽減税率は8%で、消費税率6.24%、地方消費税率1.76%となっています。
消費税は、商品を買う消費者だけが負担していると思われるかもしれませんが、そうではありません。「生産→製造→小売→消費」の段階で、それぞれの事業者は消費税を負担しているのです。
たとえば、小売店で10万円のバッグを購入したとします(支払額は11万円)。消費者から見ると、「1万円の消費税(商品の10%)を負担した」となるわけです。
しかし、流通の過程でそれぞれの業者は次のように消費税を支払っています。
●原材料仕入れ業者は消費税2000円を納付(売上2万円の10%)
●生産業者は消費税3000円を納付(売上5万円の10%と2000円の差額)
●卸売業者は消費税2000円を納付(売上7万円の10%と5000円の差額)
●小売業者は消費税3000円を納付(売上10万円の10%と7000円の差額)
その結果、消費者が負担した消費税1万円と各事業者が納付した消費税1万円(2000円+3000円+2000円+3000円)は一致することになります。
このように、事業者は売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を差し引いて計算します。これを仕入税額控除といいます。このしくみは、流通など各取引段階で二重三重に消費税がかからないようにするためのものです。
さんきゅう倉田
芸人
ファイナンシャルプランナー
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